今月6歳になる年長さん。
彼の辞書に「練習」は存在しません。
私も練習を強制はしていません。その意味がまだ解らないだろうと思うからです。
でも、いつもレッスンに連れて来られるお父様には、1時間経てば人間は半分忘れるので、24時間以内に必ず1度はピアノを弾いて下さい。そうすれば思い出せますから、と伝えています。
さて、この生徒さんには不思議上巻と先月から他の教本を併用しています。
実は昨年9月中旬からレッスンを始めています。
不思議上巻に1年以上かかっています。
まだ本の真ん中くらいです。
ハイ、このペースは私も初めて経験します。
外国のお子さんで、日本人のように学ぶ態勢ができていないからなのですが、焦っても仕方がありません。
弾き方は全く覚えられませんが、音の読み方は上手くできます。
絵を描くことが得意なので、図形のようなものはわかるのかもしれません。
そして、今週のレッスンで「へ?今頃?」と驚いたことが。
リズムの長さを覚えている最中ですが、思いの外、紙の上では長さは覚えられていて、リズムの名前まで少し覚え始めています。
長いリズムは伸ばしながら数えることがまだ十分には出来ませんが(1234と言いながら1回1回手を叩いてしまいます)、最初の頃よりずっと良く出来るようになってきました。
「音のおとなりさん」を弾いていた時のこと。
後半が上手く弾けていないので、後半だけ一緒に練習をしました。
何度か弾いていたら、「あー、こういうこと?先生が黒い4分音符を1って伸ばしているのとか、この白いのを12と伸ばしているのは、長さが1ぱく、2はくって決まっているから?」と。
え?何言ってんだろ・・でした。
リズムカードも叩いているのに、なにをいまさら?
なぞ 、と思いましたが、6歳を目前に突然彼の中で閃いたものがあったようです。
おそらく、音楽にはテンポがあって、一定の拍がそれを刻んでいることがよくわかっていなかったのだと思います。
この生徒さん、人の話を聞くことが上手ではなく、常に関係のない話をしたがります。
模唱を始めたのですが、聴くタイミングと、歌うタイミングが掴めずにいます。こうなるだろうと予測はしていましたので、さらに閃く時を待ちます
私には『なぞの6歳』ですが、本人も私もなんだか楽しんではいます。