おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ギルトブルグのショスタコ―ヴィチピアノ協奏曲

2017年04月16日 | コンサート情報
ギルトブルグのリサイタルで購入した「ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番、第2番」を聴きました。

ギルトブルグとオーケストラの色調が合っていると思います。
(ロイヤルリヴァプールフィル)
指揮者との相性も良さそうです。(指揮:ヴァシリィ・ぺトレンコ)

第1番はベートーヴェン「熱情」第1楽章の第1テーマの引用から始まります。その後も様々な曲が登場する皮肉っぽいパロディ曲です。

しかしギルトブルグとオーケストラの演奏を聴くと乾いた悲しみが伝わってきます。
第2楽章のワルツと言ったら・・
あきらめの中で1人踊るワルツ。つらくなってきます・・

第2番はお散歩気分で始まる曲です。
マスレエフもこの曲を録音しています。のん気な気分で楽しめます。

ギルトブルグの演奏はオケと共にキリリと引き締まったリズムで始まります。
それと対をなす抒情性。
そこ彼処に知性を感じますが、突如豹変し凄みが表出するとオケもギルトブルグも別人格になります。
リサイタルで聴いたあのゴシック建築のようにそそり立つ音がオケと共に押し寄せてきます。

第2楽章はとにかく美しい。
コモ湖に行った気分です。(行ったことはありませんが
澄んだ空気の中を歩いている感じです。ギルトブルグの音の透明なこと・・

終楽章はご存知ハノンのパロディです。
第2番はショスタコーヴィチが息子のピアノ練習ために書いた曲です。

それでハノン・・色々な調で弾きます。
初見でもそこそこ弾ける曲です。

ギルトブルグが演奏するとハノンが芸術作品になります。
しかし、この楽章はマスレエフの方が単純に楽しめて面白いです。
リズム感も良く、オケとの掛け合いも楽しいです。
持ち前の音色の豊かさでも魅了させてくれます。

それにしてもこの第2番は多面的で不思議な曲です。
どう理解して演奏したらよいか私なら困ってしまいそうです。

このCDにはギルトブルグ自身が編曲をしたショスタコーヴィチの弦楽四重奏第2番第3楽章と第8番が録音されています。

編曲もできるのですね。
第8番はカーネギーデビューでも演奏しています。

また聴きに行きたいピアニストです

東京でのコンサートをギルトブルグは
「昨晩は素晴らしい経験でした。本当に温かい聴衆、FAZIOLIのピアノ、ラフマニノフの24のプレリュードは私が今までやったプログラムの中で最も面白く、色彩豊かで演奏しがいのあるものです。この音楽祭の招待がなければおそらくこのプログラムは考えなかったでしょう。」
と、書いています。

確かにラフマニノフのプレリュードだけのプログラムはそうそう組めないです。
以前、ツィメルマンがドビュッシーのプレリュードのプログラムを組みましたが、あの時は1集と2集を分けてやったような・・
ショパンのスケルツォと組み合わせたような気が・・

貴重なものを聴かせていただきました。

ギルトブルグは日本に7~8回いらしているそうですが、コンサートの翌日、初めて京都を訪れたそうです。
ゆっくり過ごされていると良いですね。



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