ピアノを弾く時には、指だけ気を付けても音は鳴りませんし、腕だけ動かせていても支えがなければ音は鳴りません。手首が使えていなければ音はプツッと素っ気なく切れてしまいます。
・指は3つの関節で腕の重さを支え、
・腕から下ろして鍵盤に重さを載せ、
・鍵盤を離すときには音が自然に消えるように手首から持ち上げる。
この3点セットはピアノを弾く時には必須です。
これを子どもたちがわかりやすいように、
・消しゴム鉛筆
・スライム
・蝶々
と、レッスンでは伝えています。
私が3点セットと言い表したのは最近の話です。
不思議の教本のチェックシートを作り、生徒さんに確認する時にいつもこの3つをピアノを弾く時には当たり前のことにしてほしい、と言っている内に「3点セット」という言い方になりました。
弾きながら指だの、腕だの、手首だのと個別に注意するより、3つ同時に必要だということを言った方が生徒さんたちは覚え易いようです。
どうして今までこの言い方にしてこなかったのかと自分であきれてしまいました。
不思議の教本上巻ではこの3点セットをしっかりと身に付ける!
音を読み始める前に3点セットを覚える!
3点セットで私の生徒でよく混ぜこぜになるのが、「蝶々」
いつ「蝶々」を使うのか分からなくなる生徒さんが圧倒的に多いです。
そして、「蝶々」を音を出す時に使う生徒が多く、手首で突いて音を出してしまいます。
ピアノはそれでも音は出ますし、楽なのでそのようになりがちですが、それでは重さは使えません。
鍵盤に体当たりするかのようです。
まるでラグビーのタックルです。鍵盤上にラガーマン出没。
出禁にしなくては。
重さは真下にが基本です。
(基本の音がこれだという意味で、曲の中で一切使わないという意味ではありませんので・・)
イリーナさんも仰っていますが、「The weight should drop into the keys, not to pushed out.」
鍵盤を離すときに「蝶々」と言っても子どもたちは音を出す時に使いがちなので、「スライムが先!」と言うようにしました。
スライム、蝶々の順番です。
重さを載せて、音が自然に消えて行くように手首から離す。
指は3つの骨と言うと結構直せます。指の支えは意識で大抵良くなります。
「不思議な音の国 上巻」では、3点セットとステップ・スキップの見分けがつけば良いと思って進めています。
もちろん、音部記号・小節線・終止線・強弱記号・拍子記号・リズムなど細かいことも覚えなければいけませんが、上の2つが理解できていないと下巻に入ってもずっと上手く弾けません。
生徒さんも自分は何が分かっていないか自覚できず、改善が見られないまま重苦しい時間が過ぎていきます。
ちょうど新しい生徒さんが複数名いるので、3点セットとステップ・スキップが勝負 と思って進めています。