只今、チューリッヒでゲザ・アンダコンクールが開催されています。
このコンクールのことはよく知りませんが、Facebookを見ていたらドゥバルクが審査員を務めるというので、彼がコンクールの審査員を務めるほどもうそんな存在になっているのかと驚きました。
ドゥバルクと言えば2015年のチャイコフスキーコンクールで4位だった人物ですが、ピアノの勉強を本気で始めたのは20歳からという異色の経歴を持つ人です。
チャイコフスキーコンクール時に24歳。ピアノの勉強を本格的に始めてたった4年での入賞。ファイナルのコンチェルトはオーケストラとの共演の少なさが不利だった印象でした。
その後、活動は広がり今も活躍しているピアニストです。
ついでに彼の先生がエレナ・シェレシェフスカヤで、ドゥバルクを通して彼女を知りました。
はい、カントロフの先生です。
さて、まだ若手と思っていた彼が審査員を務め、しかもアルゲリッチもそこに名を連ね、コンチェルトのラウンドではプレトニョフ指揮、ファイナルラウンドではパーヴォ・ヤルヴィが指揮をすることを知り、何だこの豪華なコンクールは!と驚いた次第です。
ファイナルはこれからのようですが、そこに進出した3名の演奏をちょっと聴いておこうとセミ・ファイナルのモーツァルトのコンチェルトを聴いてみました。
ロシア人2人、ラトビア人1人がファイナリストです。
ロシア人はまさにこの音はロシア人の音。
美しく澄んでいて、聴いていて心地良いです。音楽だけにとらわれない教育を音楽学校でも行っているので、広い見識や受け継がれてきた芸術性が身に付いていると羨ましく感じました。
この3人を探す時に、偶然ケイト・リウと日本の・・・
あら?これを書いている途中で、優勝者決定の報が・・
ロシアのイリヤさんのようで。
偶然にも最初に聴いたモーツァルトのコンチェルトの演奏者でした。
ちょうど自分で練習中の曲なので、手に取るように音も音楽もわかる状態で、ロシア人の音はやはり美しい、アンサンブルも慣れてるなと思いながらモーツァルトという人が人と一緒に演奏することが心底好きで、喜びに満ちていて、それを後世の人たちとも分かち合ってくれるなんて、と感動しながら聴いておりました。
話が途中になりましたが、日本の久末航さんのモーツァルトも私は好きでした。音がスッと真っ直ぐに来ます。テクニックも安定感抜群というか、完璧、崩れる要素を感じさせない。好きでしたがモーツァルトの音楽と合っていたかというとどうかな?と思いました。
で、結果発表を見ると彼はファイナルには進出できませんでしたが、リスト・バルトーク賞を受賞されたようです。ベートーヴェン賞も受賞。
彼の演奏の印象は、日本人らしい整った美しさ。美しく盛られた日本料理のような・・。なので荒々しさはなく、どこまでもはみ出ることなく整えられた感じ。
演奏はまだ聴いておりませんが、たぶんこれらの賞の受賞は納得です。
ロシア人の音の美しさは、導入期のあの方法から生まれているのは確かだと思います。
ピアノの音を出す、止めるの最初の一歩はあれです。