私は実はそれほどファンタジー好きというわけではないんですよ。愛読書でファンタジーと言えるのは,ハリポタ以外では,不思議の国のアリスぐらいだったと思います。ついでに言うと私はたくさんの本をどんどん読む読書家ではなく,気に入った本は何度でも読む,というタイプです。
そんな私がお気に入りだったのは,歴史物のアクション物。ギリシャ・ローマ神話,古事記,平家物語,将門記,太平記,太閤記,‥三銃士なんかもお気に入りでした。
中でもとりわけ好きだったのは,太平記という本です。
どういう話かと言いますと,1333年の鎌倉幕府滅亡の話を中心に,日本史上未曾有の混乱の時代の,史実を元に書かれたとても面白い小説です。しかも登場人物は美男美女揃い。日本の古典文学を代表する小説の1つなのですが,天皇家に厳しい時代の出来事なので,特に戦前は日本でも正しく伝えられてなく,ちょっと残念なのですが。。
実はこれが,「指輪物語」から指輪と魔法使いを引くと,やだトールキンさんてば,この話知ってたんじゃないの?と思う位,そっくりな話なんですよ。登場人物がとても多くて,誰が主役なんだかよくわからなくなる,という点でも似ています。
最初にFOTR SEE版の映画を観た時,ボロミアの"Gondor has no king! Gondor needs no king!"のセリフから,昔の愛読書と背景のよく似ている事がとても気になり,そこからますます興味をもったわけです。
それにしても,指輪物語が書かれた時代に,この話の英訳版が存在したとはとても思えません。。。
日本史上に,アラゴルン,エルロンド,ファラミア,北方王国に南方王国,以後かなりこじつけ気味ですが,デネソール,ローハン,セオデン,エオメル,が実在したなんて考えたら,皆さん腰を抜かす事と思いますが。。。。
‥‥太平記のあらすじはこんな感じです。。。
鎌倉時代の末期。源氏の将軍の家系は100年位前に途絶え,執権の北条家が国を治めてました。(ゴンドール?)ただしこの頃は,正確に言うと,実権を握っていたのは北条家の中でも得宗家という3代目位の執権の直系の子孫の人達で,当時実権を握っていたのは得宗家のデネソール(北条高時)で,実際の執権だったファラミア(赤橋(北条)守時)は実権を持っていませんでした。
一方,エルロンド(後醍醐天皇)は全盛期(平安時代)からまだ100年ちょっとしか経ってなく「エルフ(公家)の時代は終わった」とは割り切れず,またエルフの王国を作ろうと夢を見ていました。そんな事を考えるエルロンドは当然鎌倉幕府にいぢめられ,島流しに遭ったりしますが,そんな中,忠誠を誓ってくれるローハン(難波の国)のセオデン(楠正成)という心強い味方を得ました。
ヌメノール王(源氏(=天皇家の血を引く))の末裔のアラゴルン(足利尊氏)は,当時幕府に仕官していましたが,デネソールやその取り巻きにいぢめられ,自分はそんな奴等の下にいるべき者ではない,と不満を抱いていました。ただしファラミアとは妹を奥さんにもらったりしてよいお友達でした。
やがてアラゴルンはエルロンドと手を結び,内緒で倒幕計画に参加します。そしてある時ついにエルロンドが倒幕の兵を挙げます。デネソールは,アラゴルンと同郷の親類で友達のレゴラス(新田義貞)にエルロンドをやっつけるよう命じますが,ここでアラゴルンとレゴラスは寝返ります。裏切りを知ったファラミア,分倍河原でレゴラスの大軍と激しく戦います。彼は優れた武将で,形勢は悪くなかったのですが,妹を嫁にやったアラゴルンもデネソールも裏切れず,自刃してしまいます。その後レゴラスの大軍は鎌倉を攻撃,デネソールは一族800人と東勝寺で自決してしまいます。
(実は私は"Authority is not given to you, Steward of Gondor, to order the hour of your death. "でこれを思い出してしまうんですよ)
これで喜んだエルロンド,アラゴルンを将軍に仕立てるのですが,エルフ達は,だんだんアラゴルンとその一派が疎ましくなってきます。
セオデンは時代が求めたのはへたれ将軍アラゴルンだと見抜き,エルロンドに進言します。しかしエルロンドは諦めず,アラゴルンの盟友で将軍になれたかもしれないのに不遇だったレゴラスを味方につけたりしますが,多くの武将はアラゴルンについてしまい,レゴラスはアラゴルンに滅ぼされてしまいます。諦めないエルロンドはさらに戦いを続け,ついに北方王国と南方王国(南北朝)に分かれてしまいます。
この戦いは果てしなく続きます。エルロンドに忠誠を誓うセオデンとエオメル(楠正行)は,アラゴルンに対して兵を挙げますがこれもかなわず滅ぼされ,エルロンドは失意の中で亡くなってしまい,さらにたくさんの人が亡くなって,アラゴルンもあっけなく生涯を終えてしまい,太平記の後半では(実は後半は記憶になく忘れていたのですが)なんと怨霊(死者の王?)が活躍,やがて南朝と北朝が統一されます‥‥。
それで,指輪物語との話のずれ方もとても絶妙なんですね。もしあの時あの人がこういう決断としていたら,もっと違う事を考えていたら,という問に対する答えがここにあったりするんですよ。もしかしてトールキンさん前世は太平記の著者だったんじゃないか?と思うほどの気持ち悪さです。(笑)
万が一,興味を持たれましたら,原書,マンガから解説書までいろいろあるのですが,「私本太平記」(吉川英治)が,8巻もあるけど字が大きくて読みやすく,お奨めです。
‥今書いた以外にも,魅力的な登場人物はまだまだたくさんいます。
そんな私がお気に入りだったのは,歴史物のアクション物。ギリシャ・ローマ神話,古事記,平家物語,将門記,太平記,太閤記,‥三銃士なんかもお気に入りでした。
中でもとりわけ好きだったのは,太平記という本です。
どういう話かと言いますと,1333年の鎌倉幕府滅亡の話を中心に,日本史上未曾有の混乱の時代の,史実を元に書かれたとても面白い小説です。しかも登場人物は美男美女揃い。日本の古典文学を代表する小説の1つなのですが,天皇家に厳しい時代の出来事なので,特に戦前は日本でも正しく伝えられてなく,ちょっと残念なのですが。。
実はこれが,「指輪物語」から指輪と魔法使いを引くと,やだトールキンさんてば,この話知ってたんじゃないの?と思う位,そっくりな話なんですよ。登場人物がとても多くて,誰が主役なんだかよくわからなくなる,という点でも似ています。
最初にFOTR SEE版の映画を観た時,ボロミアの"Gondor has no king! Gondor needs no king!"のセリフから,昔の愛読書と背景のよく似ている事がとても気になり,そこからますます興味をもったわけです。
それにしても,指輪物語が書かれた時代に,この話の英訳版が存在したとはとても思えません。。。
日本史上に,アラゴルン,エルロンド,ファラミア,北方王国に南方王国,以後かなりこじつけ気味ですが,デネソール,ローハン,セオデン,エオメル,が実在したなんて考えたら,皆さん腰を抜かす事と思いますが。。。。
‥‥太平記のあらすじはこんな感じです。。。
鎌倉時代の末期。源氏の将軍の家系は100年位前に途絶え,執権の北条家が国を治めてました。(ゴンドール?)ただしこの頃は,正確に言うと,実権を握っていたのは北条家の中でも得宗家という3代目位の執権の直系の子孫の人達で,当時実権を握っていたのは得宗家のデネソール(北条高時)で,実際の執権だったファラミア(赤橋(北条)守時)は実権を持っていませんでした。
一方,エルロンド(後醍醐天皇)は全盛期(平安時代)からまだ100年ちょっとしか経ってなく「エルフ(公家)の時代は終わった」とは割り切れず,またエルフの王国を作ろうと夢を見ていました。そんな事を考えるエルロンドは当然鎌倉幕府にいぢめられ,島流しに遭ったりしますが,そんな中,忠誠を誓ってくれるローハン(難波の国)のセオデン(楠正成)という心強い味方を得ました。
ヌメノール王(源氏(=天皇家の血を引く))の末裔のアラゴルン(足利尊氏)は,当時幕府に仕官していましたが,デネソールやその取り巻きにいぢめられ,自分はそんな奴等の下にいるべき者ではない,と不満を抱いていました。ただしファラミアとは妹を奥さんにもらったりしてよいお友達でした。
やがてアラゴルンはエルロンドと手を結び,内緒で倒幕計画に参加します。そしてある時ついにエルロンドが倒幕の兵を挙げます。デネソールは,アラゴルンと同郷の親類で友達のレゴラス(新田義貞)にエルロンドをやっつけるよう命じますが,ここでアラゴルンとレゴラスは寝返ります。裏切りを知ったファラミア,分倍河原でレゴラスの大軍と激しく戦います。彼は優れた武将で,形勢は悪くなかったのですが,妹を嫁にやったアラゴルンもデネソールも裏切れず,自刃してしまいます。その後レゴラスの大軍は鎌倉を攻撃,デネソールは一族800人と東勝寺で自決してしまいます。
(実は私は"Authority is not given to you, Steward of Gondor, to order the hour of your death. "でこれを思い出してしまうんですよ)
これで喜んだエルロンド,アラゴルンを将軍に仕立てるのですが,エルフ達は,だんだんアラゴルンとその一派が疎ましくなってきます。
セオデンは時代が求めたのはへたれ将軍アラゴルンだと見抜き,エルロンドに進言します。しかしエルロンドは諦めず,アラゴルンの盟友で将軍になれたかもしれないのに不遇だったレゴラスを味方につけたりしますが,多くの武将はアラゴルンについてしまい,レゴラスはアラゴルンに滅ぼされてしまいます。諦めないエルロンドはさらに戦いを続け,ついに北方王国と南方王国(南北朝)に分かれてしまいます。
この戦いは果てしなく続きます。エルロンドに忠誠を誓うセオデンとエオメル(楠正行)は,アラゴルンに対して兵を挙げますがこれもかなわず滅ぼされ,エルロンドは失意の中で亡くなってしまい,さらにたくさんの人が亡くなって,アラゴルンもあっけなく生涯を終えてしまい,太平記の後半では(実は後半は記憶になく忘れていたのですが)なんと怨霊(死者の王?)が活躍,やがて南朝と北朝が統一されます‥‥。
それで,指輪物語との話のずれ方もとても絶妙なんですね。もしあの時あの人がこういう決断としていたら,もっと違う事を考えていたら,という問に対する答えがここにあったりするんですよ。もしかしてトールキンさん前世は太平記の著者だったんじゃないか?と思うほどの気持ち悪さです。(笑)
万が一,興味を持たれましたら,原書,マンガから解説書までいろいろあるのですが,「私本太平記」(吉川英治)が,8巻もあるけど字が大きくて読みやすく,お奨めです。
‥今書いた以外にも,魅力的な登場人物はまだまだたくさんいます。