デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



昨年末にロシア絵画映画「レッズ」に触れたとはいえ、数年前に比べるとロシア関係の記事は少なくなった。しかし、教育テレビの「ロシアゴスキー(9)サンクトペテルブルクを食べつくす」という番組で久しぶりに一昔前なら是非触れたいと思う内容を目にできた。
番組内ではいくつかのロシア料理が紹介されていて、最後に紹介されたのがサンクト・ペテルブルグのストロガノフ宮殿内にあるレストランが出しているビーフストロガノフだった。このレストランのビーフストロガノフはメダルのようにカットした牛肉を使っていて、細切れになった状態では出てこない。またソースにサワークリームを使わないのも特徴とのことだった。
さて、ビーフストロガノフの発祥についての私の知識は外交官G.A.ストローガノフ伯爵(1770-1857)にまつわる話で、ようするに高齢になって肉が噛み砕けないので肉を細かく刻んだ料理を出したか出させたことがこの料理の発祥というものだった。
ところが番組では外交官の伯爵が生まれた頃には既に30代後半になっていたアレクサンドル・セルゲーヴィチ・ストロガノフ(1733-1811)による夕食会とビーフストロガノフの逸話が紹介されていた。
 
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・ストロガノフが夕食会にお客様を招待しました。そのうちの1人が将軍でした。彼は戦争で片腕を失って帰還したのです。夕食会では3つのメダルの形にカットされた肉料理が出されたので将軍はその肉を切るのが大変でした。アレクサンドル・セルゲーヴィチはすべてのお客様の前で立ち上がって自分の友人である将軍のためにその肉を細かく切ってあげたのです。お客さんたちはストロガノフ氏への敬意を込めてこの料理をビーフストロガノフと呼ぶことに決めました。

以上がその内容である。
正直なところ「現地のレストランでこう言っているのだから、外交官の伯爵のほうのエピソードは実はしっかりした文献や根拠がはっきりしない「孫引き」の類の風説の流布では?」と勘ぐってしまう気持ちが起こった。が、やっぱり番組内ではテロップで「ビーフストロガノフの発祥については諸説あります。」と但し書きが付されていた(笑)。
それはともかく、歯が悪くなって噛み砕けなくなったことで考案された料理という発祥説とは異なり、番組で紹介された説は若干できすぎかもだがなんかほっこりする気持ちにさせてくれるところが良い。肉を切ってあげた説も発祥の有力な説の一つとしていいと思ったし、併せて紹介するに値する十分なエピソードのように思った。


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