今年見た映画といえど、たぶん3分の1ぐらい昨年見た映画も混ざっている気がする。
・『ワイルド・アット・ハート』
・『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』
・『007 リビング・デイライツ』
・『身代金』
・『ダヴィンチ・コード』
・『イヴの総て』
・『市民ケーン』
・『第三の男』
・『奇跡の丘』
・『ペーパームーン』
・『グランドホテル』
・『モダン・タイムス』
・『ストレイト・ストーリー』
・『父親たちの星条旗』
・『ロレンツォのオイル』
・『ミリオンダラーベイビー』
・『16ブロック』
・『恋に落ちたシェイクスピア』
・『バリーリンドン』
・『敬愛なるベートーヴェン』
・『トリスタンとイゾルデ』
・『スパルタカス』
・『RV』
・『シュレック』
・『レーシング・ストライプス』
・『ロード・オブ・ザ・リング~二つの塔』
・『ロード・オブ・ザ・リング~王の帰還』
・『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
・『魔の山』
・『戦争と平和』
・『オリバー・ツイスト』
・『カラマーゾフの兄弟』
・『悪霊』
・『ルートヴィヒ』
・『白夜』
・『アマデウス』
・『レイ』
・『カストラート』
・『マーラー』
・『バルトの楽園』
・『デスノート』
・『デスノート後編』
・『北の零年』
・『たそがれ清兵衛』
では一つずつ感想を、と書きたいところだが、二度以上見た作品、あまり印象に残らなかった作品は略す。
『ワイルド・アット・ハート』
…不条理を描く天才デヴィット・リンチ監督の作品。笑いあり感動ありでとても楽しかったが、その笑いと感動は観客のストーリーに対する予想を思わぬ方法で裏切ってくれる(作品としては「不条理の法則」に則っているような統一感が取れている!)ところから発生しているのが憎かった。やられました(笑
『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』、『007 リビング・デイライツ』
…このシリーズのパターンは決まってるが、TVでやってるとつい見てしまう。
『ダヴィンチ・コード』
…映画化する必要はなかったのでは…。
『イヴの総て』
…私は『オールアバウト・マイ・マザー』でこの作品のことを知った。出世するためにはどんな卑劣なこともいとわない芸能界の舞台裏のドロドロ劇の古典。芸能界の裏事情などを知りたがらない人でも、この作品はおもしろいのでは。
『市民ケーン』
…ご存知、オーソン・ウェルズの唯一のヒット作で、アメリカの映画関係者なら必ずベスト作品として挙たがる映画。でも私は一度目に見たときは眠りこけてしまい、二度目にようやく全部見れたという具合で、なにがどうすごいのか、「意識の流れ」はどこに描いてあるのか、いまいちよく分からなかった。
『奇跡の丘』
…パゾリーニ監督の手によって聖書の「マタイによる福音書」のエピソードが描かれた作品。ルネッサンスおよびバロック初期の絵画みたいな映像だと思った。リアリズムをあまり意識していない?独特の作風はたしかに美しく映る。
『ペーパームーン』
…詐欺師映画の古典。ライアン・オニールとティタム・オニールの親子共演でも有名である。明るい感じの映像の中に、アンダーグラウンドと思春期に入りかけた子供の心情が盛りこまれた見所たくさんの映画。
『グランドホテル』
…ジョーン・クロフォードが何を言ったにしろ、グレタ・ガルボの存在感はすごいよ。
『ストレイト・ストーリー』
…不条理の天才デヴィット・リンチがほのぼの系のロードムービーを撮ったということで話題になった作品。年をとっても語りつくせないこともあれば、年をとったから語れることもある。そういったことをジワーっと感じさせてくれる秀作。
『父親たちの星条旗』
…今年話題の映画。イーストウッド監督の映画作りの姿勢は素晴らしいと思う。
『ロレンツォのオイル』
…子供が絶望的な病に伏しても、なお子供のために奮闘する親の愛情が描かれている作品。場面によって適当なオペラの古典の音楽が用いられているところが上手かった。
『ミリオンダラーベイビー』
…イーストウッド監督は人生が思い通りに行かないことを描くのが上手い。テーマが一貫しているところが、この映画のすごいところだと思う。
『恋に落ちたシェイクスピア』
…今年見た映画の中では、個人的に総合1位の作品。時代考証といい、伏線の張り方といい、古典の踏襲の仕方といい、先を読ませないスリリングな展開といい、ロマンスの用い方といい、非常によく練り上げられていて面白い作品だった。私が注目したのはストーリーのなかに込められている芸の細かさで、まるで劇中劇を見ているような、シェイクスピアが作った戯曲とストーリーとを重層に絡めているところだった。その象徴の一つ、主人公の名前がヴァイオラであることを、最後の最後で改めて強調されたとき、やられたなぁと感心してしまった。
『バリー・リンドン』
…「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」などで知られるキューブリック監督が、18世紀の貴族の時代をまさに再現したような作品。とくに美術がすばらしく、絵画を映像にしたのかと思えるほどだった。ストーリー自体もおもしろい。
『敬愛なるベートーヴェン』
…期待して行ったのだが、既に「アマデウス」という傑作がある以上、厳しい目で見てしまった。ベートーヴェンをテーマにした映画は制作が難しいのでわ?
『トリスタンとイゾルデ』
…中世に広まった恋愛物語の映画化。秘薬は登場せず、立場の違いがもとで不倫せざるを得なくなってしまうところを中心に描いている。だが、どうせなら白い手のイゾルデも登場するぐらいのスケールで描いてほしかったような気が…。
『スパルタカス』
…キューブリックが古代ローマの奴隷を主人公にした映画を作っていたとは知らなかった。CGとか便利なものがないころに壮絶な戦の場面を撮っただけでもすごいと思うが、この映画でうならされる点は、古代ローマの元老院での政治的駆け引きを巡る動きや、そして反乱を企てたスパルタカスとその仲間たちの友情をこまめに描いたところだった。
『レーシング・ストライプス』
…日本の競馬にシマウマが登場してくれないかなぁと思った。「フィールド・オブ・ドリームス」のセリフをパクっているところなど、笑いの要素もたくさんの楽しい映画だった。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
…悲劇と主人公が唯一しあわせを感じる空想が対になっている稀有な作品。見てて悲しくなったが、ものすごく印象に残る作品。
『ルートヴィヒ』
…ヴィスコンティの映像の絢爛豪華さや重さは例えようもない。それに主人公を演じたヘルムート・バーガーはいい意味でヤバイですよ。
『マーラー』
…ケン・ラッセル監督の奇作?。マーラーの生涯で起こった重大なエピソードをあそこまでデフォルメするとは(笑)。
『レイ』
…本当にレイ・チャールズが歌ってんのか?と思うほどのジェイミー・フォックスの熱演ぶりが光ってる作品だと思う。用いられている音楽もとてもよかった。
有名な文芸作品を映画化したもの、『魔の山』『戦争と平和』『オリバー・ツイスト』『カラマーゾフの兄弟』『悪霊』『白夜』は初めての鑑賞だったが、どうしても原作と比べてしまう。これらの作品については、読書を通して得た自分だけの想像を大切にするだけで充分だろうと思った。
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