デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



こちらこちらのカテゴリーにある、別ウィンドウが立ち上げる形でご覧いただいていたYouTube動画ですが、YouTubeユーザーの方からご助言をいただき、記事にあるYouTube画面から直接再生できるようにしました。

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ざっと、今年読んだ主な本をふりかえろう。順不同。

・『蒼ざめた馬』 ロープシン
「「カラマーゾフの兄弟」だけじゃダメなんだ」、という言葉に心打たれる。

・『センチメンタル・ジャーニィ』 L・スターン
徹底して普遍的で冗長な旅行記。こんなの書いてみたい。

・『ジェイン・エア』 シャーロット・ブロンテ
今の世の中では、学校の読書課題としても厳しいか…。

・『椿姫』 デュマ(フィス)
ロマン主義と言うのは分かるが、一歩間違えれば破滅文学かも?

・『若きウェルテルの悩み』 J・W・ゲーテ
これを読んで怒る人もいるけど、個人的には主人公の気持ちを察する。

・『郷愁』 ヘルマン・ヘッセ
本当に20代で書いた作品なのか?秀作。

・『ブッデンブローク家の人びと』 トーマス・マン
ヘッセ同様、20代で書いた作品といえないくらい重厚な作品。トーニは愛すべきキャラ。今年のベスト5の一。

・『ワイマルのロッテ』 T・マン
「若い頃に思い出に生きるのは死を意味する」という言葉にグサッと。

・『地上のヴィーナス』 サラ・デュナント
作中の登場人物や社会情勢すべてがまるで蛇みたいな姿で描かれる傑作。今年のベスト5の一。

・『白の闇』 ジョゼ・サラマーゴ
すべての人間の野獣的本能がでたとしたら、この作品のような社会になるのかも。危うい現代への警鐘の作品。今年のベスト5の一。

・『ピギー・スニードを救う話』 ジョン・アーヴィング
いかにも現代文学という感じ。「ペンション・グリルパルツァー」が秀逸。

・『ソフィーの選択』 ウィリアム・スタイロン
「グノーシス教義」についてひどく考えさせられる作品。同じ次元にある国と国の事象の相違はこんなに無慈悲で救われないものなのかと…。

・『デイヴィッド・コパフィールド』 ディケンズ
「ジェイン・エア」のあとに読んだので、ちょっとマンネリだった。

・『カラマーゾフの兄弟 続編を空想する』 亀山郁夫
労作。「カラマーゾフの兄弟」と戦うのはさぞ大変だろうなぁ。

・『プルースト美術館 「失われた時を求めて」の画家たち』 吉川一義
再読。プルーストと絵に対する探究心・情熱が半端じゃない。今年のベスト5の一。

・『モードに見るプルースト―「失われた時を求めて」を読む』 長谷川富子
ファッションに疎い私ですら、ファッションは素晴らしいと感じた良書。ファッションの歴史を勉強したい人にもお薦め。

・『カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ―1774-1840』 ノルベルト・ヴォルフ
私がドイツロマン派のフリードリヒの影響も受けて、自分の写真で雲や光を撮りたがる理由が述べられていたような気が…。

・『インテリジェンス 武器なき戦争』 手嶋龍一・佐藤優
20世紀の名だたるスパイや外交官の比類なき能力について分かりやすく述べられ、非常に面白い。とはいえ、そこまでやっちゃ常軌を逸しているとも思えたり。

・『旧約聖書 ヨブ記』 旧約聖書翻訳委員会 訳
発売が順延しまくった分の「ヨブ記」。ヨブは神の試練を忘れないだろうが、私も発売が順延したことを忘れない。

・『一休―その破戒と風狂』 栗田勇
近畿に住む者として、一休ゆかりの場所があるのはありがたいことだが、正直アニメの「一休さん」の方が面白い。

・『伊豆の踊子』 川端康成
主人公の遊学できる立場にうやらましさを…。

・『感傷旅行-センチメンタル・ジャーニー』 田辺聖子
このヒロインに見られるカリカチュアは、胸が痛くなるような…。

・『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』 村上春樹
今年、長さの割りに最も速読できた作品。今年のベスト5の一。

・『イグ・ノーベル賞』 マーク・エイブラハムズ
・『もっと!イグ・ノーベル賞』 M・エイブラハムズ
世界中の真摯で愚直な研究者の研究に、ただただ抱腹絶倒! この本は一気に読むのでなく毎日一編ずつ読んでいくことをお薦めしたい。

  ***

今年挫折して印象に残っている本は、スタンダール『パルムの僧院』。
越年読書は、ジョルジュ・サンド『ジャンヌ』。

来年も、すばらしい本と出会えますように。

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YouTubeアカウントにて、今年を締めくくる動画を二曲、アップしました。


ukurico - 小金持ち



ukurico - Welcome to ukurico's live

二曲ともukuricoさんのオリジナル。来年もたのしみにしてます!

今年もいくつかライブに行ったが、ライブに足を運んでも途中で帰らざるを得なかったりして、弊ブログでその模様を伝えられなかったり、紹介が来年になったりするライブもある。
そう、ふれてなかったことといえば、私個人のウクレレが、思わぬ出会いの機会を与えてくれたことを、少し書いておきたい。
鴨川を通りがかったら、ウクレレを練習していたKさんと知り合い、その後SNSでつながり、機会あれば今も合奏しているという出会い。本業がフィギュアスケート部ではあるが、昔ヴァイオリンをやっていたことで、久しぶりに川辺でヴァイオリンを奏でていた学生さんとの出会い(楽器を持ちながら美しいターンを何度も決めてくれたが、そのあとウクレレとヴァイオリンで「瀬戸の花嫁」をセッションした。あんなにピタリと合うとは、ものすごい快感だった)。
もちろん、弊ブログで既に触れている、さまざまな演奏の機会や、ライブでのみなさんのパフォーマンスやそのときの出会いも、すばらしかった。
みなさん、来年もよろしく。そして楽しみましょう!

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だいぶ間が空いたが、こちらのつづき。


こういうのって今のご時勢では撮れそうで撮れないと…



ほんの15分くらいの変化だった気が…



平安神宮の大鳥居 - 雲は無いけど、すごく光沢が出た状態で撮れたのでアップ。


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旅で出会った「妖精たち」が踊ってくれました(笑)

弊ブログでの西班牙彷徨シリーズは、未だルーヴル美術館を出ていないが、時期がくればフランスの田舎町から知合った旅の仲間について書くだろう。
その旅の仲間から自筆のクリスマスカードと、Eメールに添付されてきたエルフに扮した仲間がアニメチックに踊るクリスマスEメールカード、さらにオーストラリアに住んでいる友人からもクリスマスカードが届いた。
3通とも、それも12月24日に!


本当に嬉しい!

年賀状は1月1日という意識でいる自分にとっては、うっかりしていたも同然で、急いで返事を書いて送った。届いても年明けだなぁ(笑)。
でもみんな元気にしているようで何よりだった。

Tanti Auguri di un Sereno Natale e Felice Anno Nuovo.
Je vous souhaite à tous une très bonne année 2008 !
A happy new year !

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OperaLucia - When I'm Sixty-Four

YouTubeの動画で本人が登場するのは、実はこれで4回目。
(3回目は声だけ出ています(^^))

それにしても、この時期、外での練習は辛いのぉ。

自分の演奏を録音してみても、手や指を暖めるため、

なにやらガサガサ鳴っている時間が長い。

はっきりいって時間勝負。

さて、この録音。

ボリューム、大きめでお願いします。

歌唱力の無さをさらけ出すが、

しかし今年、最もよく親しんだ曲の一つ。

ukuricoさん、本当にありがとうございます。

観客やコーラスは、自然現象。

具体的に、「口笛」は小鳥、「コーラス」はカラス。

鳥たちとのコラボも聴きどころ!?

曲は、日常のささやかな幸せの情景と、ささやかな夢を歌ったもの。

今年結ばれた、三組のカップルに幸あれ!

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ウージェーヌ・ドラクロワ「ダンテの小舟」(1822)

フランスを代表するロマン派の画家ドラクロワについては、以前少しだけこちらで触れた。
しかし、ルーヴルのデゥノン翼のフランス絵画の大作の部屋(ジェリコーの「メディーズ号の筏」もある)にあるドラクロワの作品群こそ、さらにとりあげるべきと思う。
ドラクロワという画家は「本当の父親は誰か?」という議論が巻き起こるその出生からして、現代の美術研究者を悩ませている。
また面白い逸話として以下の二つがある。
一つは、『モンテ・クリスト伯』や『三銃士』などを書いたデュマに、ドラクロワ自身が語った内容として、小さい頃何度も死に掛けたが、それでも生き抜いてこれたのは「神の摂理が私を見守っていてくれたおかげ」だといったものがある。
もう一つは、子供の頃に出会った占い師が「この子は将来きっと有名になるであろう。だがその生涯は苦難に満ちてけわしく、絶えず反対にぶつかるだろう」と言い、成人し熟年に達したドラクロワは「まったくその通りではないか。今でも私は仕事を続けているが、相変わらず批判されてばかりいる。あの男はたしかに本当の占い師だった」とかいったようなものだ。
妙なというか奇怪というか(笑)。
事実、彼が発表した作品は、当時の美術界のなかで賛否両論の嵐が吹き荒れ、本当に評価が真っ二つに分かれた。新古典主義の通常の評価の基準からすれば、ドラクロワの作品は《まったく滅茶塗り》だと評する人もいたし、通常の評価基準では評価できない新しく前衛的な画家としてドラクロワを天才と言い切る人もいた。
さて、上の「ダンテの小舟」はあらゆる先輩画家や文学に学び、2ヶ月半にわたって没頭して描かれた24歳のドラクロワ渾身の作品で、1822年サロンに出品された。賛否両論あるなかで、この作品は政府に買い上げられ、以後ドラクロワは画家としての自分の歩む道に自信を深めた。
それにしても、絵の題材であるダンテの『神曲』地獄篇は、読むだけでもいろんな場面が頭の中で想像できるのに、それを絵に昇華したドラクロワには舌を巻くしかない。ちなみにこの絵は縦189cm×横246cmのサイズで、迫力がある。すごい作品だが、これですらまだ序の口かも。



ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」(1830)

来ました!フランスを代表する絵画の一つといっていい傑作。ちなみにサイズも260×325cmと圧巻だ。(ただ、これよりも大きいヴェロネーゼの「カナの婚礼」やダヴィッドの「妃ジョゼフィーヌ戴冠」もあるから、ルーヴルは計り知れない)
体があまり強くなく外に出ることの少なかった”書斎派”のドラクロワも、フランス革命の戦闘は目にしたことがあり、そこから絵につながる多大なるインスピレーションを得た。
フランス革命について書くと「~の襲撃」だ「~月革命」だとか、ごちゃごちゃあるようだが、「民衆を導く自由の女神」は1830年7月にシャルル10世のブルボン王朝が打倒された7月革命での民衆蜂起の寓意画である。ちなみに7月革命のあとルイ・フィリップによる「七月王政」が立つが、その頃にはこの作品の価値はあまり認められてなかったようだ。
しかし、今やこの作品は”フランスといえば、ドラクロワといえば”というぐらい、圧倒的な存在感と価値を誇っている。
私がこの大作で注目したのは、やっぱり上半身をむきだしにした「女神」の存在で、堂々としたリーダーシップを発揮し勇敢に歩む姿に、ほれぼれしてしまったのだった。帰国後、この絵についての解説を読んだら、なんと革命後発行された小冊子にアンヌ=シャルロットという洗濯女が戦闘で殺された弟の仇を討つため「スカートをつけただけの姿で」勇敢に戦った譚があって、「女神」像はそこから霊感を得た可能性もあるのだという。ルネサンスやバロック時代の画家も、モデルについて少し似たような霊感を得て絵にしたと聞いたことがあるが、ドラクロワにも同じことが少しくらいはいえるかもしれないと思う。



ドラクロワ「サルダナパールの死」(1827-28年)

反逆者に宮殿を取り囲まれた、栄華と快楽を極めた古代の専制君主が、最期に自分の寵愛した女や小姓、さらには愛馬や愛犬まですべて殺害するよう命じた場面。
左上に寝そべるサルダナパールの表情と傲然とした態度、もう完全な無意志というか、自暴自棄や絶望すら通り越してしまっている。官能的な殺害ともいえるドラマが、4m×5mぐらいの大きさで迫ってきた。
この絵は旅行ガイドブックでも「必見」みたいに扱われているが、私もそう思う。
絵のモティーフになっている時代は特定されてはおらず、伝説の域にとどまっているが、この絵のテーマは決して数は多くないとはいえ世に存在し、人間の無意識の一部を表現していると感じた。正直、心して見よ!と思った。

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イヴの日に、虹を目にできるとは。小ぶりだけれども、たもとからたもとまで、きっちり写ってくれた。「庶民的な虹」みたいだった。

おまけ。帰り道にて


現代野球少年


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昨日、なんと人生初のスタジオでの練習を行った。
正直、練習前からドキドキしていた。

初スタジオ練習までの道のり?について書くと、ギターを始めた話とも絡み、ちょっと長い話になる。
今年の7月末のこと、近所の公園でウクレレを練習していたとき、楽器をもった5人連れとの出会いが始まりだった。
みなさんは、とあるつながりから楽器好きが集まった「楽器部」のメンバーで、その時に持っていたお互いの譜面を見つつ、汗だくになりながら合奏させてもらった。
みなさんにとっても、私にとっても、とても楽しい時間だった。
それで、私は晴れて入部!
お互い忙しい時間の合間を縫って集まり、バンドやろうぜ!という話になり、担当や始めるのに演奏しやすい曲などを決め、そして昨日がそのスタジオでの初練習だったのだ。
私はギターを担当、正直、むちゃくちゃ興奮した。そしてメンバーで合奏する何ともいえない充実感、とても楽しかった! 2時間ってあっという間。クセになりそう(笑
バンドは始めて間もないので、今は3曲「風をあつめて」「Stand by me」「Get back」を練習していて、昨日の「Get back」では私の気持ちはルーフトップ・コンサートのジョージ・ハリスンに、なりきっていたぞ(笑

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先日、天保山のサントリー・ミュージアムまで、かねてから行きたいと思っていたアイマックスシアターと国立ロシア美術館展に行って来た。雨が降って来場者も少なかったこのお出かけでは、さらに友人の御厚意まで加わったので、非常にありがたかった!

まず、アイマックスシアターで「ブルーオアシスⅡ」という海の生物についてのドキュメンリー・ドラマを鑑賞した。3D映像で赤青の色眼鏡をかけてスクリーンを見たのだが、上映を告げるカウントダウンの映像だけは、少し気分が悪くなってしまった(笑
しかし、本編が始まり無数のクラゲがフワフワ浮いている映像になると、手でクラゲをつかもうとしている自分がいた。
見る前に友人が言っていたタコがカニを食べる場面では、自分が地上では屋台でタコ焼きを食っている存在なんだな、思いながら見ていた。それにしても、海の中のリアル映像を見てしまうと、お祭り屋台のタコの絵が、究極のお笑いネタに思えてしまう。

そして、国立ロシア美術館展。どう表現したらいいか、オタクの域まではまだ足らないが、ロシア美術・文学の愛好家である私には、珠玉の作品が揃っていた。最初の方に展示されてあったフョードル・アレクセーエフの「ペドロパヴロフスク要塞から臨む宮殿河岸の風景」(1794)を見ただけで、私のボルテージは一気に上がってしまった。その結果、友人に対して一人で喋っていても満足状態、イヤホンなしのオーディオガイド状態となった。
でも、ロシアオタぶりが最高潮だったのはたぶん数年前で、今となっては忘れてしまってたり、何かと何かを混同していることもあったのだ。

展示作品について一作品ずつ述べたいところだが、今回は一作品に絞って書きたい。


И・クラムスコイ,「ソフィア・クラムスカヤの肖像」(1882)

絵の画像は、このブログを始めてから1ヵ月後ぐらいに紹介したことがあるし、彼女のことと作者クラムスコイについては、以前にこちらで書いたことがある。
ただ今回、再び、それも日本で彼女と再会したことで、旅先でしか味わえないような現地の空気、冬に記した夏の印象のごとく、旅先でのあらゆる印象を愛しなさいといった、言葉と言葉のあいだに深く混じりこんでいる記憶のことを思った。また、私が世界の美術作品を好きになったのは、初海外旅行で降り立ったロシアの芸術・歴史文化が、決定的といっていいほど大きな役割を果たしていると、改めて思った。

外に出ると、もう暗がりになっていた。ミュージアムの隣には海遊館があり、イルミネーションが輝いていた。


イルカと波だなぁ。



「愛々傘」

帰りに友人と、先日お世話になったピリカワッカで飲んでたくさん話した。すごく充実した午後だった。同伴してくれて本当に感謝!

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