
30年近く住んだ、阪神淡路大震災のときでも壁にひびが入ったぐらいでなんとか建っていた我が家であったが、家屋の老朽化に伴い、築5年の同じ町内の新居へと引越しをすることとなった。引越しは9月末に話が決まった。
そこで、先月から徐々に新居へ持って行く物、この際だから思い切って処分する物などの整理をしていたわけだが、そういう作業をしていると、いつ買ったか、誰からもらったか分からない、それでいて使えないようなものまで出てくるのは、いわばパターンである。が、しかし中には首を傾(かし)げるものもあったりする。
↑のプラモデルは確かに自分が小さい頃に組み立てたものだ。F-1のサンマリノGPで他界したアイルトン・セナと、中嶋悟が1987年に乗っていたロータス・ホンダのマシンのプラモデル。どこでどんな風に無くなったか忘れてしまったが、右のバックミラーがないまま整理中に出てきた。
CDが市場に出回る前に活躍していたテープレコーダー(カセットデッキ)。廃品回収業者ですら持っていってくれないので分解した。中には電池が残っていて、腐食していたりしていたが、こうやって分解してみると技術の粋というものをまざまざと感じる気がする。

上に用いられていた基盤のアップ図。昔思い描いていた未来都市のモデルみたい。
さて、この記事のタイトルにふさわしいものの登場である。大衆漫画の金字塔「サザエさん」が好きな方には伝説とさえいわれる「全自動卵割り機」に匹敵するぐらいの物だと、個人的には思っている。

その名も「電気卵ゆで器」

使った覚えがまったくないのだが(笑)
卵をセッティングしている時間でゆで卵が出来てしまうとツッコミが入っても仕方あるまい。ちなみに説明書によれば「かたい」「ふつう」「やわらかい」のどれかを選んで茹でられる。その際に左にかろうじて写る水の計量カップが活躍するのだ(笑)。
高校に入って間もなくして、漫画類はすべて買い取り店に売ったつもりだったが、この一冊だけは残っていた。市場でどれほどの値打ちがあるか分からないが、この作品はすごくよく出来ているリアリスティックなボクシング漫画だと思う。残っていて本当によかった。
これを見て、すぐにピンと来た方は、非常に懐かしい思いをされたのでは?と思う。レコード・プレーヤーの(サファイアの)レコード針である。本来は上下逆につけるもので、撮影の都合上あえてひっくりかえしてある。

レコード・プレーヤーとLP盤レコード
我が家には主にクラシックと60年代ポップスのレコードがあるが、押入れの奥にずっとしまいこんであった。両親はいつかまたレコードをかけてみたいと思っていたものの、この引越しの機会まで鳴るかどうかも分からない、交換用のレコード針が手に入らないかもしれないレコードのプレーヤーのことは、ほったらかしにしていたようなのである。
自分としてはCDが手に入る今、思い切ってプレーヤーは中古のオーディオを扱う店に売ってもいいのではと思っていたが、両親がともに新居に持っていくと決めた。
そうなるとプレーヤーの細部にいたる部分までの掃除や点検などの面倒を見るのは私になったわけであったが、一通りやってみるとレコード盤が回るではないか。左に写るカセットテープの再生は機能しなかったが、レコードは動いたのである。
あとはレコード針をどう見つけるかだけだったが、幸いにもネットオークションでダイヤモンドの針を格安で入手できた。出品者の方に感謝である。
針を交換し、画像にあるLPの「くるみ割り人形」(チャイコフスキー)をかけた時の感動は、どう表現していいか分からない。贅沢というか至福、デジタルではない生身の音がよみがえったという嬉しさ、よみがえらせたという自負が渾然一体となった感情を味わったのだった。
ときどき、CD(の音)はパソコンや携帯型のプレーヤーで電子データとして残り、CD自体はアナログのレコードよりも早く姿を消すかもしれない、オーディオマニアやレコードの音の良さを知る人がいる限り、アナログの方が残りつづける可能性があるという見方を耳にするが、分かる気がした。昔のオーディオを買いあさるつもりはないが、ただこのプレーヤーだけは残していこうと思った。
そうやって狂喜乱舞している最中、、別の部屋では今使用したら危ないやろ?と思うような電気毛布が押入れの奥から出てきた。なんとスイッチが「入」と「切」しかなく、温度調整のつまみなどが見当たらないのである。なぜそんなものがあるのか、謎過ぎる(笑)。しかし謎過ぎる物が時代を感じさせてくれるのは確かだった。