興福寺(東金堂と五重塔)
五重塔
東金堂
国宝館でこの日の目的の阿修羅像ほかを鑑賞した。旅先でありがちな、目的のものが他の都道府県や外国で展示されている可能性をつい考えてしまい、入館の前に訊ねてしまった。
館内には阿修羅像のほかにも仏教縁の神さまの像や仏像や釈尊の弟子たちの像もあり、像の造形の見事さを堪能したのみならず、弟子たちの名前の当て字としてどのような漢字が用いられているか、改めて勉強になった。
中金堂
今の中金堂は復元されたものとはいえ、藤原不比等が創建した当初の姿に、よくぞここまでやったなと脱帽物だった。
それしても藤原不比等の「不比等(他に比べようもない優秀な者)」って天皇よりも権力があるかのような実質上の支配者だったことを言わんとしているようなすごい名前だなと改めて思う。
南円堂
白鳳時代に起源をもち、天平時代(奈良時代)に寺勢を誇った興福寺は後世に南都六宗の一つの寺としても挙げられた。興福寺の歴史および建物についての詳細は
こちら。
南都六宗についていつも思うのは今でも葬式仏教とは無縁な、つまりは墓地も檀家も持たないところ、葬式仏教臭くないところの良さだ。実際、寺院の住職が亡くなるとそれぞれの寺で葬儀が行われず、葬儀は別の宗派の僧侶が担当するほどなのだ。
これは飛鳥時代から奈良時代にかけての仏教組織が死者を葬ら為の宗教組織でなく、高度な学問体系をもつアカデミックな組織だったことに由来する。
奈良県庁
ちなみにここから西に3km弱の所にある奈良市庁舎のデザインは座禅を組んでいる形を表現しているとのことだ。