オレの身内はバイクに乗れる人物が多い。
親父、妹2名、妹ムコ2名、家内。乗れないのはオフクロだけか。
家内は余暇活動の一環で免許を取った。数年前の出来事だ。
止めも、勧めもする暇はなかった。
ある日、いきなり思い立って入所の手続きをしてきた。当時5歳と2歳のせがれ共を預ける託児所が付属していると言う。
オレが単身バイクで出かけるのが楽しそうに見えたのが動機らしい。「らしい」というのは理由を聞いてもどうもはっきりわからないからだ。
実際、オレはバイクに乗るのが楽しいのだが、家内がそれを楽しむ人種とは思えない。
フツーは、一枚で終わる教習の記録欄には、書ききれなくなって追加の用紙が貼り付けられた。
再度、書ききれなくなって追加が貼り付けられた。都合2枚の追加だ。
常人の3倍の教習だ。いや、貼り付けられた用紙は「もう一枚貼り付ける必要のないように」教習の記録欄のみが多めに設けられていたので、5倍かもしれない。
本人はいたって機嫌よく教習に出かけていた。
特に用件のない週末は必ず教習に出かける週末が10ヶ月近く続いた。
「す・ご・い」と思った。
何に起因する情熱が、そこまで彼女を耐え忍ばせるのだろうか。いや、何だか楽しそうだし。
経済的負担も尋常ではないだろう。何だ、この意力は。
仕事もこんな風にしているのだろうか。
す・ご・い。
まさに低頭の想いであったオレは彼女に、サベージ400を買い与えた。
非常に乗りやすく、カワイイ、鼓動の楽しい400シングルだ。
ただ、トリップがない、インターフェイスがどれも硬い(古いので)、ただ、それだけの理由で彼女には扱い切れなかったようだ。
んで、PS250を買った。オレのおカネで。
扱いに不安はない。取り回しでコカしてもダメージが少なく、リカバリーも容易だ。コンバインドブレーキで安全だ。
しかも、今風だし。
新車で購入して丸2年だ。
走行距離は1300K。なんだそれ。それもメンテナンス上の理由でオレが乗ったのが多分、半分以上だと思う。あの教習所通いは何だったのだろう。
パーマ屋に行くか、子供の絵本を借りるために図書館に行くか。しかも1月に1回程度。
いまだ、共に走ったことは、一度も、ない。
彼女は「一緒に走りたい」というが、不可能なのだ。
そう、我が家にはグレムリンが2匹いる。
コイツラを放置して、すぐに連絡が付かない状態で両親であるオレ達が遠出することはありえないのだ。
そりゃ、近所に買い物や用事に二人同時に出ることは、ままあるのだが、遠出はない。
事故や、事件はこういった気の緩みに差し込んでくるものだ。
仮に連絡が付いても、事件や事故はその場にいるか否かが絶対的に対応が違う。
人身御供が必要な、今の我が家なのだ。
や、それ以前に、何故、家内はあんなに苦労して免許を取り、手元にバイクを置いておきたがるのか???
しかも、最近は「大型二輪免許が欲しい」とか言ってるし。
?????。
いや、人身御供はPS君だと思うね。
あ、そのお考えに1票。