最近、ブツ見て感じたことがありまして。
例①リプレイスマフラー。
e-Bayなんかみてて国産のマフラーに腹が立ったりするのです。
我がZZR1400(米国モデルZX14)のスリップオンなんぞ、ちったぁ名の知れたメーカーの品物、$350~$700位。
フルエキでも$1000超えるのは少数派。
一方、国産のブツは安くてスリップオンが9万位~。フルエキになると30万なんてのもあったりするわけです。
何、この価格差(笑)。
ま、キャタの装備や素材の違いがあったりするのですが、明らかに基本ベースの何かが違いますよ、これ。
例②ヘルメット
アライやショウエイなんぞのフルフェイスは、廉価モデルでも今や3万を切るモデルは少数派。
売れ筋モデルはソリッド色で4万位な印象です。
高級商品は6万なんてのもあるようで。
杓子定規な見かたにおいて、メットは消耗品なのに、スンゴイ金額です。
3年交換、年間2万キロ走行だとすると、6万のモデルは1キロ1円づつ償却していく、っつー空恐ろしい勘定になったりします。
一方、HJCはベーシックモデルが並行輸入品で2万切るし、Iconでも3万未満です。
10年前くらいの国産大手の販売価格?な印象です。
ま、これも装備や素材の違いがあったりするのですが、明らかに基本ベースの何かが違いますよ。
然様。
基本的に違うのですよ。
モノの造り込みについての考え方が。
以前にも、ここで書いたことなのですが、まさに、「引き算の文化」。
日本のモノや美的価値観には「本質を追求する」考え方が底流にあるように思えてなりませんのです。
例えば、マフラー。
先日、KファクのZZR1400用のフルエキ、実物をよ~く拝見したのですが。
溶接ひとつとってみても、工芸品の領域ですよ、コレ。
決して工業製品ではありませぬ。
エキパイの溶接全てが手作業のようなのですが、溶接棒の溶着の波目が全て、色、厚み、大きさ、幅、キッチリ揃っている。
御存知の通りステン溶接などは使ってるうちにワレたりしちゃうモノがありますが、これだけ揃っていると、そんな気がしない。
見えないけど、裏面もヤケやタマリなんぞ、ないに決まってる、とカンジさせる。
poita愛用のスパトラなんて、数年すれば2本に1本は、溶接がワれちゃう。
こういった溶接の職人技などは、職人がそのウデマエを鍛えに鍛えてその技を磨いていこうとしないと、こういった美しい溶接は実現しない。
溶接技の本質を追い求めないと、こういったブツは生まれ出でないと思うのだ。
ソコにはコスト見合いの合理性ではなく、「いかに真正なモノを市場に出すか」という、プライドというか、モノの本質を追求する姿勢をヒシヒシ感じることが出来る。
そして、そういったブツにはおカネがかかる。
そんな仕事のできる職人は少ないし、育てるにも時間(即ちおカネですな)がかかっちゃう。
例えば、ヘルメット。
最近のブツは持っていないのですが。
アライのフルフェイス。
メットのフチ部分を両手で持って、合掌するように力を込めてみる。
よっぽど力をかけないと、インナーとシェルが軋む音などしない。
ま、もともと、アライのメットは、こういうことでその強度を標榜してきた。
HJCはかぶるだけでも、インナーとシェルが軋む音がする。
アライのメットと同様にいじめてみると、フニャフニャ、といってもいい。
ま、キシミ音はかぶっちまえば気にならないし、強度はスネル通過してるんだから充分なはず、だけど。
フチゴムの接着ひとつ見たって、アライ製品はノリのハミ出しなんか見当たらない。
HJCは塗装の下にも、内側にも何箇所か発見できるし、塗装のエクボも複数発見できる。
シェルそのものの厚みだって左右で違ったりしちゃってる(笑)。
そんなフウにブツをイジめないと音はしないし、塗装やノリのアラはよく見ないとわからない。
だが、アライのヘルメットには「安全を標榜するブツに軋む音なんてありえない」「美観のための塗装なのだからエクボなんてありえない」ってなプライドっつーか、真剣な姿勢を感じることが出来る。
そして、そういう部分にまで気を使ったブツには余計な工程や精度や、品質の管理が必要だ。
歩留まりだって悪かろう。
即ち、おカネがかかる。
そして、そういうブツを選択するのは、消費者の判定による、ワケです。
さて、どうしましょうかね。
10年前のオレなら、迷わず国産を選びましたよ。
んでもね。
今は、少し、考え込んじゃう。
昨今の市場至上主義的な「売れる値段で売る」考え方にどうしても納得がいかないのですよ、オレ。
上記のマフラーも、ヘルメットも、どう考えても適正な原価を積み上げて、適正な利潤が上乗せされて販売されているように思えないのです。
「売れる値段で売ってる」ようにしか思えない。
ブランド衣料品じゃねーんだから。
あくまで、工業製品なのよ?
日本のモノのよさとか、企業の美しさっつーか、そういうの、もう、だめかね?
「ビジネスですから」
オレも仕事上では、よく使う言葉ですよ。
でもね、本当はそういうの、大ッキライなんです。
たった200日で一部上場の会社の価値が4割減。
ありえねーだろ、そんなの。
300日前と変わらず、一所懸命働いていますよ、みんな。
市場、ってのは間違ってばかりですよ。
特に強者というか「勝ち組」の存在を悪としない教育が行き届くようになって以降。
時代錯誤は承知の上。
こういうグチがズルいのも承知の上。
んでも、その上で生きるっつーか、ヤっていくしかないわけで。
んで。
安いマフラーや、メットを買っちゃうのです(笑)。