ろろたんのトコでカレーがすんげーウマそうだったので、負けじとフルコース喰ってきましたよ。
神奈川県某市の和風ビストロPOITAというお店です。
インテリアの雰囲気もなかなか凝っています。
バイク乗りのお部屋のようです。
食後はここで煙草も喫えるそうです。
予約は一日一件、しかも一名様専用。
テーブルや椅子まで一名用のしつらえでした。
お茶を飲む食器には秀逸なセンスを感じます。
ウエッジウッドスズキの特注品だそうで、一度は製造をやめてしまったものの、再販売されたといういわくつきの逸品だそうです。
さて、ワケあって写真は出せませんが、オーナーシェフ自らオードブルを運んできました。
「油あげのソイソース」
じゅわじゅわと油の踊る油揚げに、醤油が気高く香ります。
なんでも、火の通し方が難しいそうで、火を入れ過ぎると食感が台無しになるそうです。
アツいまま、頂きます。
食前茶は、ほうじ茶で、これまた香ばしい風味がこのオードブルにマッチして、これからのコースを期待させます。
ココではコースでも「和風」に主眼を置いているとのことで、パンではなく、玄米オカユお出しているそうです。
千葉県勝浦産のお米で、ここ40年来の名品といわれる2007年収穫の玄米から、わずかに混入する籾を目視で丁寧に取り除き、かまどと炭で焚き上げるそうです。
玄米特有の食感と風味が際立つ一品でした。
スープが注がれます。
「松茸のお吸い物永谷園風味」
味付けは薄味の京都風ですが、松茸の影も形もないのに香りがすばらしかったです。
香りを取り出した松茸は使わないという、シェフこだわりのお吸い物です。
魚料理。
「サバのみそ冷製 缶詰風」
盛りつけ、ソース、魚の鮮度、いづれも文句のつけようがありません。
わざわざ、煮込んで、それを冷ましていただくという手の込みようです。
サバは骨まで箸でくずせるほど良く煮込まれていまして、青魚独特の油っぽさは全く感じませんでした。
肉料理とサラダが運ばれてきました。
「ぱりぱりフランクフルトトマトソース」
おざなりなステーキなどではなく、意外なメインに少々面食らいました。
皮の裂け目に、油がぱちぱちと踊っています。
迂闊にかぶりつくと、口中をやけどしそうなほどアツアツでパリパリです。
「熱いものは熱いうちに、それが当店のモットーなんです」店主は笑いますが、これだけ調理直後の食熱を維持したまま客に出すというのはなかなかに難しいものです。
魚を食べ終わるころあいに、お肉が焼き上がる段取りを完ぺきにこなすのは、簡単ではありません。
トマトのソースもこのフランクにベストマッチで、おかわりを頼んだのですが、一日に3本造るのが限界だそうです。
「7種の野菜と5種の果物のしぼりたてシバ漬け添え」
これまた、サラダというから野菜の盛り合わせ+ドレッシングと思っていたのですが。
「まぁ、一口、どうぞ」とシェフ。
果物の甘みと、野菜の青臭さというか苦みというかが打ち消しあっているものの、野菜や果物のそれぞれの味がちゃんと感じられまして、なかなかに上質な味わい。
コレは香辛料や調味料を一切使用せずに野菜と果物の味だけでブレンドしてるそうです。
「コースも終盤になってくると、お客様が『食べ疲れ』てしまわないように、サラダは飲み物の形で、肉料理の後にサーブするんですよ」
なかなかな腕前。
シバ漬けは少し分量が多い、と思っていたら、それにもちゃんと理由があったのです!
サラダの後に、さらに少量のおかゆがサーブされてきました。
先ほどまでは「けっこう満腹」と思っていたものの、あれ?不思議と、もう少し食べたい感じ。
それを見越してのオカユの追加と、多めのシバ漬けだったのです。
しかも、今回のオカユは、シャケの身が細かく散らしてあり、また違う味わいを楽しめたのでした。。
最後に、デザートがサーブされてきました。
「北海道のプリンとチョコレート入りスティックビスケットを添えて」
食後茶は、番茶。
なんでお酒が一切出ないの?ふつうは「食前酒」じゃないの?
と聞きましたら、「いやぁ、ご予約時に『普段はお酒飲まない』とおっしゃっていたもので」とのこと。
いや、感服いたしました。
雑談のようでも、ちゃんとお客の好み、リサーチしてらしたんですねぇ。
プリンも、牛乳の風味がよく効いた甘さ控え目タイプ。
添えられているお菓子がこれまた凝っているもので、ストロー状のビスケットの中にチョコレートが流し込まれています。
市販のお菓子で似たものがあるが、こちらの方がオリジナルとのことでした。
いやぁ、今日は堪能いたしました。
シェフの心づかいと客をもてなす気持ちが充分伝わってくる、心温まるお店でした。
次回はアラカルト、食べにこよう!
さて、食器たくさん使ったから、洗い物しなきゃ。