庄内浜の北方にそびえる霊峰「鳥海山」では、ブナ林から地中にしみ込んだ雪解け水がいくつもの湧水となって麓の地表に表れ、庄内浜の海底に豊富なミネラルを含んだ伏流水となって湧き出しています。
岩牡蠣の餌となるプランクトンは、海水に伏流水の冷たい真水が混じることで豊富に発生するのですが、庄内浜の岩牡蠣は、この豊富な餌をたくさん食べているため、大きくぷっくりと育つのだと言われています。
岩牡蠣が生息するのは海底や波の荒い岩場で、漁は酸素ボンベなどを使わない素潜りで行われます。
夏でも海水温が冷たいため、専用のウェットスーツの体に8kgもの重りをつけ、水深5~10mまで潜り、岩と見分けがつきにくい牡蠣を瞬時に見極め、バールで一気に引きはがすそうです。
漁獲量はおよそ10kgが入れられる箱に1人1日7個までと決まっているとか。
そんな岩牡蠣名産地の遊佐町にある「ヤマサ鮮魚本店」さんでは、時機の「岩牡蠣」がその場で頂けるとか・・・
グルグル回るイカのメリーゴーランドに思わず(笑)。
店内のオープン冷蔵庫には、殻つきの岩牡蠣がゴロゴロ・・・
その場では、(値段を含めて)好きなのを選んでください、のような空気感がありました。
(近隣「道の駅 鳥海ふらっと」さんの岩牡蠣屋さんでも自分で好きな岩牡蠣を皿に入れて剥いて貰うようでした)
岩牡蠣はいろいろな形があり、鮮度もですが、どんな形のが美味なのかそんなのはもう個人のインスピレーションに任せるかしかないと思われます。
岩牡蠣1個をチョイス(600円)して、割って頂くのをテーブル席で待ちました。
所詮、お魚屋さんですから、テーブルがあるだけましなのですが、さすがに人気店とあって、岩牡蠣を1組で10個とか割って貰ったのをテイクアウトする方もいらっしゃるので、単純な順番待ちではなくて、牡蠣1個でも本物の「時間待ち」なのですね。
選んでから20分近く待ったでしょうか。
運ばれてきた「岩牡蠣」はまさに新鮮ですが、割り傷はできていたのには、意外な気持ちがしました。
海の塩味と共に身は冷たくプルンプルンとし、一気に口にしようか、齧りながら味わおうか一瞬迷いましたが、一気に・・・
ああ、塩味と共に甘い何かえもいえぬ旨味・・・ミルキー且つ海の味が最後に止めを刺すような後味。
凄いな~、この繊細なのに海な味。
けれど私としては今年の7月に由良海岸産サンリゾート庄内でオーダーした岩がきの方が、純水な感動がありました。
同じ日に食べ比べたら、どちらが美味しいのでしょうか?
「あの日、あの時、あの場所で、○○と遭わなかったら・・・」そんなBGMが私の心に流れてくるようです。
お店のその場の雰囲気とか、食べる側のコンデションとか、旬とか、気候とかいろいろあるし、食の世界って本当に奥が深いものだと思わされました。
■ヤマサ鮮魚本店
住所 山形県飽海郡遊佐町菅里菅野310‐3
TEL 0234-77-3327
*岩牡蠣はシーズン食材のため、店舗に直接お問合せ下さいませ。
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