71番弥谷寺の駐車場に着いたのは、16時40分頃でした。
ギリギリ間に合うかな~と軽く考えていたのですが、なんと本堂まで送迎バスが出ているようなのです。が、既にその日の最終バスは終わっていました。
嫌な予感がします。

山門から向こうは、上りの階段がずっとずっと先まで続いています。

下りの方に「この位置から17時までにたどり着くでしょうか?」と聞いてみると「走ればギリギリ間に合うと思うよ」との答え。
そうなったら諦めて明日に改めるか、観念して走るしかありません。
走る道を選ぶのですが、17時に辿り着いた先の納経場が閉っていたら、と考えるとゾ~ッとします。
必死で階段をのぼるものの、その先に煩悩の数の赤い階段が!
いつまで登るのでしょうか??
煩悩の階段の先は、やっと境内に入ったようです。

靴を脱いで本堂へ。

大師堂の中に納経場があり、まずは本尊と大師さまにお勤めの般若心経をお唱えしたいところですが、息はハアハアで、汗がダラダラと流れてきて、大変なことになっていました私。
こんなに本気で走ったこと、最近なかったですから。
お勤めを終えて本堂から出るなり、お坊さんが外に出てきて「本日の納経は終わりますよ~。まだの方は急いでください。閉めますから~」と声をあげていたのが印象的でした。
あと5分たどり着くのが遅かったら、納経は間に合わなかったことでしょう。
四国遍路88箇所でも、こんなにギリギリセーフのお寺は、この弥谷寺だけでしたね。
ですが、時間をかけて、ゆっくりとお参りしたいお寺でもありました。
弥谷寺のある弥谷山は、古来より霊山(仏山)として信仰されたといわれ、日本三大霊場(恐山・臼杵磨崖仏・弥谷山)の一つに数えられたそうです。
弥谷寺は今からおよそ1300年前。人皇第45代聖武天皇の勅願により、行基菩薩が堂宇を建立し、光明皇后の父母の菩提を弔う為、『大方広仏華厳経』をお祀りし、寺院を創建したといわれています。

緑に囲われた多宝塔。


弘法大師像。

薬師堂。

弥谷山の霊山信仰では、『山域全体が仏の住む世界であり、水場横の洞窟が極楽浄土の入口だといわれ、特別強く信仰された』とされています。

阿弥陀仏三尊磨崖仏。
霊山信仰を持った修験者により刻まれた摩崖仏です。

本堂へ行ってみましょう。

本堂からは、讃岐平野を見渡すことができました。

後で調べてみると、仁王門から石段を370段のぼると大師堂。
大師堂からさらに170段上りきると本堂です。
慌てていた為、見どころも見逃していたり、写真も少ないのですが、古来より霊山と言われるだけあって、とても印象的なお寺でした。