宮城県登米市の横山不動尊で、4月27日から5月7日の11日間、ご開帳が行われています。
酉年の時にしか秘仏のご開帳はないため、今年の御開帳を逃したら、次に見ることができるのは12年後、2029年となります。
横山不動尊(大徳寺)は保元元年(1156)百済から流れついた仏像を祀って(現奥の院)建てられた小堂が始まりで、開基は橘知禅と伝えられています。
日本三不動の一つに数えられています。
見事な松の木の大木。
津山杉に囲まれた参道です。
大徳寺は初め、明王山金剛寺といい真言宗の道場として開かれたといわれていますが、葛西氏の時代に曹洞宗に改宗し山号も白魚山と改められたそうです。
江戸時代になると、広く民間に信仰されるようになりました。
仁王門には仁王像、楼上に十六羅漢像が並んでおり扁額の「白魚山」は幕末の三舟の一人として知られる山岡鉄舟によるもの。
阿と吽。
龍の御手水。
橋を渡って本堂へと続きます。
横山不動尊には御池、心の池、種池の3つの池があります。
御池では、ウグイが生息しています。
春の5月頃から御池を離れて加茂川を下ったウグイは、産卵を終えた8月頃には池に帰ってくる習性があり、その生態がよく観察できることから、昭和10年に天然記念物に指定されました。
不動明王御尊像は、寄せ木造り(カツラ材)、像高275㎝、重量約300㎏
平成9年6月30日国指定 重要文化財となっております。
今回御開帳になる秘仏は、この大きな不動明王坐像の胎内仏で、金の不動明王像。
こちらの大きさは一寸八分で約5.5㎝と、かなり小さい仏様です。
(秘仏拝観料:500円)
ご開帳の時は、回向柱というものが本堂の前に立ち、本尊と善の綱でつながっているので、回向柱に触れればご本尊に触れたのと同じご利益が頂けるといいます。
この不動明王坐像は2011年の東日本大震災で損傷してしまい、復興事業の一環として2013年から京都で文化財修復作業を行い、2014年に横山不動尊大徳寺に戻ってきた際にも、3年前ですがご開帳を行ったそうです。
ました。この大掛かりな修復は、お寺の860余年の歴史上、2回目、330年ぶりの修復。
本堂裏。
参拝には順路があるらしく、親切に案内板があります。
五重塔は県重要文化財です。
五重塔は、甲州信光寺の僧・鉄山策牛和尚が発願し、明和3年(1766年)に完成。
塔は江戸期の青銅造りとしては異色のあるもので、鋳造技術が高く評価されているそうです。
奥の院まではかなり歩きそうです。
ハイヒールのカップルさんが「とりあえず行ってみよう!」と、登って行かれましたが、きちんとした靴を履かなければ無理だと思います。
道も荒れている可能性もあります。
これからの季節は、虫よけや熊鈴、タオル、飲料水なども準備されるたほうが念のためと思います。
横山不動尊のお不動様は、とてもお優しいお顔立ちなので、いつまでも見ていたい気持ちになりました。
本堂のお不動様の前に座って眺めると、こちらを見てくれているような気持ちになります。
■横山不動尊 曹洞宗大徳寺
住所 宮城県本吉郡津山町横山字本町3
秘仏御開帳期間:2017年4月27日(日)-5月7日(日)
開帳時間:9:00~16:00
拝観料金:500円
TEL:0225-69-2249