私の勤務する作業所では年に2回健康診断をする。
食品を扱っているからです。
私は、前回の春には人間ドックに行ったので、
作業所としては健康診断をしていない。
作業所は毎日仕事があるので2日にわけて交代で病院に行く。
水曜日に私は、6人を送迎車に乗せて近くの病院に引率した。
ラジオもつけない送迎車の中でひとり喋り続けているKくん。
他の通所者は黙っている。
20分ほどで病院に到着。
私は車イスのリフトを動作させYさんを降ろす。
彼は知的障害者ではない。
小児麻痺で車イスの生活をしている。
自閉症のKくんは、一番先に車を出て
常に喋り続けながらその辺をさまよっている。
最近は、お笑い芸人のことが中心になっている。
私は、全員の尿を持って先頭を歩く。
今回は検便はないようだった。
当然、最後尾は37歳のダウン症のSくんだ。
太っていてすべてのことの動きがスローなのです。
受付をすませ、私たちは内科の部屋の前で待機した。
静かな病院の中でもKくんは話し続けている。
私はほっといた。
「黙って!」といったって、彼は話すことをやめはしない。
最初に血圧を測るように女性の看護師
(看護婦と書けばいいのか)にいわれた。
みな神妙な顔をしてトンネルのようなところに腕を入れていた。
次は、身長と体重測定だ。
細い角柱に背中を合わせてプレートの上に乗っていると、
上から角柱についた板が降りてきて頭の上で止まる。
これで終わる。簡単になったものだ。
不思議そうな顔をしていたSくんが可笑しかった。
みな靴を履いていたのに、彼は靴と靴下を脱いでいた。
やはり太っていることを気にしているのか。
少しでも体重を減らそうと彼なりに“努力”している。
医者の診察が終わって、健康診断は終了した。
みなに帰るようにいうと、Sくんがいない。
探すと血圧計のトンネルに腕を突っ込んでいた。
「Sくん、もうそれはいいんだよ」
「ボクはこの紙が欲しいんです」
血圧計から出てきた記録紙を大切そうに持って、Sくんは病院を出た。
翌日Sくんは、その紙を嬉しそうに私に見せてくれた。
きっと家に帰って、お母さんにも見せたのだろう。
食品を扱っているからです。
私は、前回の春には人間ドックに行ったので、
作業所としては健康診断をしていない。
作業所は毎日仕事があるので2日にわけて交代で病院に行く。
水曜日に私は、6人を送迎車に乗せて近くの病院に引率した。
ラジオもつけない送迎車の中でひとり喋り続けているKくん。
他の通所者は黙っている。
20分ほどで病院に到着。
私は車イスのリフトを動作させYさんを降ろす。
彼は知的障害者ではない。
小児麻痺で車イスの生活をしている。
自閉症のKくんは、一番先に車を出て
常に喋り続けながらその辺をさまよっている。
最近は、お笑い芸人のことが中心になっている。
私は、全員の尿を持って先頭を歩く。
今回は検便はないようだった。
当然、最後尾は37歳のダウン症のSくんだ。
太っていてすべてのことの動きがスローなのです。
受付をすませ、私たちは内科の部屋の前で待機した。
静かな病院の中でもKくんは話し続けている。
私はほっといた。
「黙って!」といったって、彼は話すことをやめはしない。
最初に血圧を測るように女性の看護師
(看護婦と書けばいいのか)にいわれた。
みな神妙な顔をしてトンネルのようなところに腕を入れていた。
次は、身長と体重測定だ。
細い角柱に背中を合わせてプレートの上に乗っていると、
上から角柱についた板が降りてきて頭の上で止まる。
これで終わる。簡単になったものだ。
不思議そうな顔をしていたSくんが可笑しかった。
みな靴を履いていたのに、彼は靴と靴下を脱いでいた。
やはり太っていることを気にしているのか。
少しでも体重を減らそうと彼なりに“努力”している。
医者の診察が終わって、健康診断は終了した。
みなに帰るようにいうと、Sくんがいない。
探すと血圧計のトンネルに腕を突っ込んでいた。
「Sくん、もうそれはいいんだよ」
「ボクはこの紙が欲しいんです」
血圧計から出てきた記録紙を大切そうに持って、Sくんは病院を出た。
翌日Sくんは、その紙を嬉しそうに私に見せてくれた。
きっと家に帰って、お母さんにも見せたのだろう。