午前中だった。
「トイレを貸して下さい」と受付のカウンター越しに、
20代の青年が声をかけてきた。
私は、「ハイ、どうぞ」と机に坐ったまま応えた。
私の勤める職場は、佐久市の大きな公園の中にある。
トイレを貸してくれ、ということはよくあることです。
トイレを終えた青年がまたカウンターに来た。
「この辺に初めて来たのですが、どこかいい所ありますか?」
青年の脇に、女性がいた。
「私も、この辺に来てまだ浅いんです。ちょっと待って下さい」
そういって、今日出勤しているKさんを探した。
台所にいました。
「Kさん、すみません。佐久での見所教えて下さい」
Kさんは笑顔で出てきてくれた。
Kさんが、事務所に来て何か探し始めた。
私は、Kさんがカウンターに来る間、青年に何か話そうと思った。
「どちらから来たんですか?」
「私は岐阜で、彼女が茨城です」
「ということは、お2人の住む真ん中あたりで、
今日は待ち合わせたということですか?」
「まァ、そんなことです」
「遠距離恋愛みたいですね?」ヨケイナコトヲ、イッテシマッタ。
「………」
私は、女性に話かけた。
「茨城はどこですか? 私は、岩瀬なんですが…」
私は、よけいなことを質問してしまったことを紛らすために、訊いた。
清潔な感じで知性を感じさせる女性だった。
「えっ、私も岩瀬です」
「ハッ、岩瀬? 今は岩瀬町は桜川市ですよね」
私は驚いた。
「おらァ、栃木の益子の隣の大泉なんだげど、どごだっぺ?」
私は、わざと茨城弁で話した。
「松田です。加波山の近くです」
私は正直、松田という地名を初めて聞いた。
今、ネットで桜川市の松田を調べましたらありました。
Kさんが、佐久市の観光地図をやっと探しだし持って来てくれた。
そして、佐久のいいところを説明してくれた。
「佐久もいいところですが、軽井沢はどうですか?
私は、軽井沢に住んでます」
と、私はいってみた。2人は、軽井沢という地名に表情を変えた。
「軽井沢って、近いんですか?」
この気持ち分かります。
やっぱり、軽井沢ってメジャーですよね。
「ここから30分で行けますよ」
2人は、丁寧なお礼をいって去っていった。
しかし、こんな佐久で岩瀬のひとに会うなんて…。
できたらもっと彼女と話したかったが、まさか、
彼氏の前で話す訳にはいかないですよね。
でも、やっぱり話したかったな、彼女との「岩瀬話」。
「トイレを貸して下さい」と受付のカウンター越しに、
20代の青年が声をかけてきた。
私は、「ハイ、どうぞ」と机に坐ったまま応えた。
私の勤める職場は、佐久市の大きな公園の中にある。
トイレを貸してくれ、ということはよくあることです。
トイレを終えた青年がまたカウンターに来た。
「この辺に初めて来たのですが、どこかいい所ありますか?」
青年の脇に、女性がいた。
「私も、この辺に来てまだ浅いんです。ちょっと待って下さい」
そういって、今日出勤しているKさんを探した。
台所にいました。
「Kさん、すみません。佐久での見所教えて下さい」
Kさんは笑顔で出てきてくれた。
Kさんが、事務所に来て何か探し始めた。
私は、Kさんがカウンターに来る間、青年に何か話そうと思った。
「どちらから来たんですか?」
「私は岐阜で、彼女が茨城です」
「ということは、お2人の住む真ん中あたりで、
今日は待ち合わせたということですか?」
「まァ、そんなことです」
「遠距離恋愛みたいですね?」ヨケイナコトヲ、イッテシマッタ。
「………」
私は、女性に話かけた。
「茨城はどこですか? 私は、岩瀬なんですが…」
私は、よけいなことを質問してしまったことを紛らすために、訊いた。
清潔な感じで知性を感じさせる女性だった。
「えっ、私も岩瀬です」
「ハッ、岩瀬? 今は岩瀬町は桜川市ですよね」
私は驚いた。
「おらァ、栃木の益子の隣の大泉なんだげど、どごだっぺ?」
私は、わざと茨城弁で話した。
「松田です。加波山の近くです」
私は正直、松田という地名を初めて聞いた。
今、ネットで桜川市の松田を調べましたらありました。
Kさんが、佐久市の観光地図をやっと探しだし持って来てくれた。
そして、佐久のいいところを説明してくれた。
「佐久もいいところですが、軽井沢はどうですか?
私は、軽井沢に住んでます」
と、私はいってみた。2人は、軽井沢という地名に表情を変えた。
「軽井沢って、近いんですか?」
この気持ち分かります。
やっぱり、軽井沢ってメジャーですよね。
「ここから30分で行けますよ」
2人は、丁寧なお礼をいって去っていった。
しかし、こんな佐久で岩瀬のひとに会うなんて…。
できたらもっと彼女と話したかったが、まさか、
彼氏の前で話す訳にはいかないですよね。
でも、やっぱり話したかったな、彼女との「岩瀬話」。