4月30日投句締め切りのわいわい雑俳塾句会の題は、
「遠足」「山吹」<下五“なかりけり”しばり>だった。
この題には泣かされました。
「遠足」なんて今の私の暮らしに縁がないし、
「山吹」なんてこれまで気にとめてこなかった印象の薄い植物で、
“なかりけり”には逃げ出したくなりました。
「遠足」
遠足の列とゞまりてかたまりて 高浜 虚子
遠足の一団すぎし水を撒く 星野 立子
遠足の埃くささに乗り合はす 上西 左兌子
遠足の子にはじめての海あをき 久保田 万太郎
遠足の濡れしょぼたれし列のまた 〃
「山吹」
川波に山吹映り澄まんとす 高浜 虚子
遠くより見てゐし雨の濃山吹 稲畑 汀子
山吹の一重の花の重なりぬ 高野 素十
山吹やひそかに咲ける花の濃く 久保田 万太郎
山吹も葉がちの雨となりにけり 〃
<下五“なかりけり”しばり>
壬生狂言をはる口上なかりけり 高橋 克郎
亀鳴いて小せんに後(のち)のなかりけり 久保田 万太郎
落椿足のふみどのなかりけり 〃
カメラもたぬ花人とてはなかりけり 〃
汐干貝いまもむかしもなかりけり 〃
題が出されたときに紹介された句です。
この句を頼りに俳句を作りました。
3位 九想 11点
それぞれに遠足の子ら花持って 4
山吹の一枝を持ち山登る 4
暮れの春吾に才能なかりけり 3
私は3位で、2位と1点差、優勝とは3点差で今回3位は3人いました。