長い小説だった。
ここまで長くするこたァない。
テーマは素晴らしいと思う。
ポツダム宣言受諾により太平洋戦争が停戦した後の8月18日未明、
日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連軍が占守(シェムシュ)島に上陸、日本軍守備隊と戦闘となった。
日本国民のほとんどが戦争は終わったと思っている8月15日過ぎてからこの戦争は始まった。
「終わらざる夏」(上)は、登場してくる人物が興味深くてどんどん読めた。
(下)は、読み進めることが苦痛だった。
ロシア人の夢の描写はなくてもいいのではと思う。
もっと片岡直哉のことを書いて欲しかった。
長野の学童疎開から逃亡した静代と譲(片岡直哉の息子)が軽井沢を通るときを楽しく読んだ。
まるで私の家の前を2人が歩いているようだった。
その2人の逃亡の手助けをした渡世人の岩井萬助の人情にほだされた。
戦時中の軽井沢の様子を初めて知った。
軽井沢町民の私としては、あらためて軽井沢の歴史を勉強してみよう、と思った。
この小説を読んでつくづく戦争はくだらない、と思う。
国と国とのエゴのぶつかり合いだ。
国民はそれの犠牲になる。
つまらない。
浅田次郎の小説はあまり読んでない。
「天切り松 闇がたり」「鉄道員(ぽっぽや)」「蒼穹の昴」ぐらいしか読んでなかった。
「鉄道員」は短編ですが、あとのものは長いですよ。
「天切り松 闇がたり」は、私が40代のときに所沢図書館の富岡分館で借りて読んだ。
その頃、浅田次郎はマイナーな作家だった。
その彼が、「鉄道員」で直木賞をとったときは嬉しかった。
めったに本を買わない私が、本屋で買って読みました。
彼の小説は好きです。
小説家としての浅田次郎には頭が下がります。