「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK総合22:00~22:48)を観た。
「高倉健インタビュースペシャル 映画俳優・高倉健」
「居たい。そばに。なるべく居て見ていたいですね。鳥肌が立つ思いの時ありますよ。ス
タッフの、ぼくは狂気の集団と言ったけど、本当にあの人たちの努力ですよね。一番やっ
てる人たちが一番お金もらってない人たちなんだよね。おかしいんですけど。反省します
ね。本当は後ろの人たちの力なんですよね。そういうの分かるのに何十年もかかるよね。
え~ってぞくぞくするのが。何十年もかかりますよ。ぱっときても分からない」
「気持ちは映らないっていうけど、でもやっぱり映るんですよ。どこかでそういうのがあ
るんだよ。それがない奴は、きっとちょっとキラっと光らないんだよね。映画俳優って一
番大事なこと何って言ったら、その感受性のとこだけなのかなっていう気がしますね。そ
れはもう、自分の感性、感じられる心を大事にする、それしかないんじゃないのって。そ
れはやっぱり良い映画を見たり、非常にストレートですけど、自分が感じられる映画、そ
れから感じられる監督とか俳優さんを見つけて、その人たちのものを追っかける。それか
ら自国のものばかり見ないで、外国のものも意識的に見る。それから、自分が感動できる
小説を読む、あとは絵をいろんな美術品を見る。やっぱり年齢を重ねないとなかなかそれ
は。」
「大滝さんが言われると、ああいうふうに、なんかこの作品のテーマみたいなね。すごい
なあと。ぼくはその話は、佐藤くんと草くんにしたんですけど。たった一人の俳優さん
が、今回の出演者の中では最高齢の人ですよね、ああいうことができる仕事なんだなあと。
はあって思いましたね。誰かがスナップ写真を撮ってるとき、大滝さん帰られる時、旅館
の前で僕、最敬礼してるよね。あれ正直な反応だよね。メイクの佐藤が言ってたのかな、
『これ大滝さん、何なのかな、メイキャップも何もしてない顔が神々しい』って言ったよ。
神々しいお顔されてるって。神々しいって…神々しいってメイキャップしてないのにそれ
どういうことなのかなって。それを知りたいよって。それでどうやったら神々しくなれる
か分かれば、俳優として何段も上がったわけだから、ぜひなんて。仏像のようだって言っ
てた。仏像の顔していらっしゃる。ものすごい参考になりましたね。ああいう芝居を目の
当たりで見ただけで、この作品に出てよかったと思ってます。それぐらい強烈だった。う
へえって思いましたよ。そういうことができる、俳優って言うのが商売なんですよね。
(大滝さんに)負けたくないねえ、負けたくない。勝負しようとは思わないけど、なんと
か追っかけたいと思いますよ。まだ何年かは働けるもんね。追っかけたいと思う。縁があ
って俳優を選んだんだからね。やっぱり出会う人でしょうね。どういう人に人生で出会う
か、そこで決まるんじゃないですかね。やっぱりいい人に出会うと、いろいろなものをも
らいますよね。」
「分かんないね…。多分ね、この別れるのに涙が出るとかっていうのは、お芝居の部分で
はないところで、泣いているのだと思うんですよね。ああ楽しかったとか、別れたくない
とか、もう二度と会えないかもしれないとか。特に中国のスタッフは。だから、そういう
ものを自分がお金に取っ替えてるっていう職業ってのは、悲しいなあってどっかで思った
のかもしれないね。それを売り物にするものでは、ないんじゃないかなっていう。でもし
ょうがないですよね、同じ人とずっとはやれないんだから。そういう切ない仕事なんです
よ。だから、それはそんなに気を入れなければいいんだっていう、そのこともわかってる
んだけども、やっぱり出会って仕事だ、出会って仕事だって言う。分かってるんだけど、
強烈なのを受けると、しばらく。なんとなく、恋愛みたいなものなんじゃないの。多分、
恋愛だよね。じゃなきゃ泣きませんよ。お金もらうところじゃないんだもん、映ってない
ところで泣くんだから。泣くんですよ。大の大人が。それが中国は強烈だったってことで
しょうね。いや、今でも分かりませんよ。じゃあ、なんで今度はやったのって言ったら、
こんなに断ってばかりいると、またこれ断ったら監督と、もうできなくなる年齢が来てる
んじゃないかなと、2人とも。それはもう1本撮っておきたいよなっていうのが、今回の。
本音を言えばそうかもしれないよ。」
<再放送 9月14日(金)午前0時25分~ 総合>