えいちゃん 3

2013年01月08日 | 健康・病気

2月だったか、えいちゃんと新宿を歩いていて、ある画廊に入った。
そこにはあるデザイン学校の学生たちの作品が展示してあった。
1人の女性の絵をえいちゃんはとても気に入った。
そのとき画廊にその絵を描いた女性がいて、えいちゃんと私は彼女と話した。
そして近くの喫茶店に行ったと思う。
彼女はスタイルもよく、素敵な女性だった。
彼女と絵の話をしているうちにいつしか演劇の話になった。
そのデザイン学校の仲間たちが劇団を作り、6月にミュージカルを公演するという。
劇団を作る中心になった人が以前、東京キッドブラザーズにいたということだった。
彼女が、私たちに「劇団に入りませんか?」という。
それでえいちゃんと私はその劇団に入ることをその場で決めた。

劇団事務所は原宿の6畳のアパートだった。
デザイン学校が原宿にあったからです。
劇団事務所に行くといつも何人かがいた。
ほとんどがデザイン学校の学生だが、美大生や音大生、普通の大学生もいた。
無職だった私と大学生のえいちゃんは、毎日のように劇団事務所に顔を出した。
そこに行けば可愛い女の子に何人も会えるのです。
夜には酒盛りになり、芝居、小説、映画の話をしているうちに、いつしか男と女の話になり、人生論になった。
劇団事務所で話しているうちに、どうせ劇団に入ったのなら、
みんなと同じデザイン学校に入ってみようかなと考えた。
絵は中学を卒業してから描いてないが、なんとかなるだろうと思った。
他の劇団員にデザイン学校の試験の内容を聞いて私なりにやってみた。
試験はデッサンと作文だという。
それから私は試験の日まで身の回りのものをデッサンし続けた。
そして私は、そのデザイン学校のⅡ部の試験に合格してしまった。
私はそれから仕事を探した。

                                                     つづく

(すみません、書いているうちに昔の記憶がどんどん出てくるのです。
 こんなに長くなるつもりはかなったのです。もう少し、おつきあい下さい)

コメント
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