「ようこそ、わが家へ」(池井戸潤著 小学館文庫)を読んだ。
倉田太一が会社帰りの電車で、割り込みをした男を注意したことで、
ストーキングされ、翌日庭に植えた花が踏み潰され、更に数日後、
郵便受けに瀕死の子猫を入れられた。
その後も執拗な嫌がらせが続き、倉田家は警察に被害届を出すも、
あまり真剣 に取り合ってくれないことから、自分たちで犯人を突き止める行動をとる。
倉田太一は、銀行から中小企業の総務部長へと出向させられた気弱な男だ。
会社を思う気持ちは誰にも負けない、やさしい心の持ち主だ。
どう考えてもおかしな行動をとる間瀬営業部長を追い込むが、
最後のところで口のうまい間瀬にやり込められてしまう。
主人公を補佐する有能な経理担当の摂子の存在が、爽快感を読者に与えてくれる。
最後は、ストーキングする男が捕まり、会社での間瀬の悪巧みもあからさまになる。
小説としてはハッピーエンドです。
(が、このへん、もうちょっと複雑です。ネタバレになるので書きません)
池井戸潤は、小説がうまくなったな、と思った。
ちょっと無理な設定も、それほど壊れないで素晴らしい終末へと落ち着いた。
池井戸潤の小説は面白い。
今、彼の別な小説(ロスジェネの逆襲)を読んでます。
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