小説「ステップ」

2020年08月07日 | 小説 エッセイ

昨日、「ステップ」(重松 清著 中公文庫)を読み終えた。
私の大好きな小説の1つに入れたいと思います。
先日、所沢のブックオフに入ったときにこの文庫本があり買った。
その理由は、作者が重松清で、最近映画になったとラジオで知ったからです。
この前、NHKの再放送で「とんび」を観た。
そんなことも本を買うときの背中を押した。
いい話でした。
>  一年前、とてもたいせつな家族の一員が、不意にいなくなってしまった。
> 結婚三年目、まだ「ママ」という言葉もはっきりとは言えない一歳半の美紀をのこし、
>三十歳という若さで、朋子は逝った。
こうしてこの物語は始まる。
トップクラスの営業マンだったが、人事担当の部長や役員に直訴して、
“僕”は残業のない総務部に異動させてもらった。
1歳半の美紀を毎朝保育園に連れて行き、夕方迎えに行く。
家での食事も作らなくてはならない。
そんな“僕”と美紀の10年間を描いている。
そこに大きな存在となる亡くなった朋子の両親と兄夫婦との関係。
私は、双子の息子たちを育ててきたが、妻は健康で力強い存在でありがたかった。
もし、女房がいなかったら私は息子たちを育てられたか?
おそらくできなかったでしょう。
小説のあちこちで私は胸を熱くして、涙が出そうになりました。
子どもを育てるということのたいへんさを思い返してみて、私は泣きました。
そういうことを文章で表現できる重松清という作家は、すごいと思った。

コメント
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