「定州で軍乱が発生しました」
「乱兵は節度使の渾鎬様を捕らえています」
「徹底的に掠奪され、鎬様も家人も裸で放り出されているそうでございます」
易州刺史の陳楚の元に次々と知らせが入った。
「苦労知らずの若様だからな」と楚
鎬は建中の名将咸(かん)の子、人柄はよいとはいえ、たいした功績もなく節度使となった。しかも今度の王承宗討伐では、伏兵にあって大敗し、軍の半ばを失っていた。
「兵をいたわるこころがあればな」
「そのようなものは苦労知らずのあの方には・・」
「そろそろ楚様にご下命がおりましょう」
「この寒風の中、裸とは気の毒なことだ」と楚はくすくすと笑った。
「ほとほどにしろと兵達にも・・・」
長く易定節度使であった張一族の縁戚にあたる楚であった。
「節度使として乱を鎮めよという命令が下りました」
楚は定州城に馳せ入り、乱はたちまちに収まっていった。
「乱兵は節度使の渾鎬様を捕らえています」
「徹底的に掠奪され、鎬様も家人も裸で放り出されているそうでございます」
易州刺史の陳楚の元に次々と知らせが入った。
「苦労知らずの若様だからな」と楚
鎬は建中の名将咸(かん)の子、人柄はよいとはいえ、たいした功績もなく節度使となった。しかも今度の王承宗討伐では、伏兵にあって大敗し、軍の半ばを失っていた。
「兵をいたわるこころがあればな」
「そのようなものは苦労知らずのあの方には・・」
「そろそろ楚様にご下命がおりましょう」
「この寒風の中、裸とは気の毒なことだ」と楚はくすくすと笑った。
「ほとほどにしろと兵達にも・・・」
長く易定節度使であった張一族の縁戚にあたる楚であった。
「節度使として乱を鎮めよという命令が下りました」
楚は定州城に馳せ入り、乱はたちまちに収まっていった。