ある時、宣宗皇帝はお忍びで狩猟の途中に百姓家に立ち寄り、湯を求めた。
「近頃、生活はどうかの」
「苦しいですわ、生きていくのがやっとですわ」と百姓
「どうしてか、収穫は良いと聞いているが」と帝
「税金がどんどん増えるし、使役も厳しくてたまりませんわ」
「いくら収穫が増えても、それ以上に巻き上げられますだ」
善政をしいているはずの帝は心外であった。
「昨年も今年も減税になったのではないのかな?」
「上の方はなにもご存じないのですよ、本当の税はすこしばかりです」
「官吏どもがその何倍も裏税をとっとるんです」
「本当の税が半分になっても、裏税は変わらんのです」
「それどころか、昨年から新たな裏税ができたとです」
「帝のご命令なんか守る連中ではないんです」
「内廷では宦官共が、外廷では官僚共が朕を欺いている」
と皇帝は憮然として百姓家を立ち去った。
「近頃、生活はどうかの」
「苦しいですわ、生きていくのがやっとですわ」と百姓
「どうしてか、収穫は良いと聞いているが」と帝
「税金がどんどん増えるし、使役も厳しくてたまりませんわ」
「いくら収穫が増えても、それ以上に巻き上げられますだ」
善政をしいているはずの帝は心外であった。
「昨年も今年も減税になったのではないのかな?」
「上の方はなにもご存じないのですよ、本当の税はすこしばかりです」
「官吏どもがその何倍も裏税をとっとるんです」
「本当の税が半分になっても、裏税は変わらんのです」
「それどころか、昨年から新たな裏税ができたとです」
「帝のご命令なんか守る連中ではないんです」
「内廷では宦官共が、外廷では官僚共が朕を欺いている」
と皇帝は憮然として百姓家を立ち去った。