「しょうのねえガキだ」
「あんな奴に従っていたら、身体がもたねえ」
「わがままで、気まぐれで」
敬宗皇帝は昼はポロや角力に熱中し、夜は宮中を徘徊してキツネ狩りをする毎日だった。
しばしば若手宦官やポロ選手・力士達とバクチをしながら酒宴を重ねていた。
「もっとやれ、もっと激しくばかりだからな」
「そのくせ、ケガをしたらしらんふり」
「自分が負けたら泣きわめく、処罰する」
最初は喜んでいた宦官や選手もうんざりしていた。
数日前には夜遊びの随行をことわった宦官達が降格された。
昨日はちょっとしたことで十数人がむち打ちとなった。
「もうがまんできんぞ」
「あのガキ、やってしまうか」
もともと気の荒い単純な連中である。
そこへ
「帝にも困ったものだ、他の諸王は真面目な方々ばかりなのに」
「特に絳王はスポーツ好きだし寛容な方だ」
と王守澄等の実権派宦官達がそそのかす。
寶暦二年十二月のある夜、帝が酒宴の途中で便所に行くと、灯りが消えた。
数人の宦官や若者がよってたかって絞め殺した。
その後、若手宦官達は絳王を擁立しようと働いたが
老獪な幹部達はとっくに江王(文宗)を立てる段取りをしていた。
「あんな奴に従っていたら、身体がもたねえ」
「わがままで、気まぐれで」
敬宗皇帝は昼はポロや角力に熱中し、夜は宮中を徘徊してキツネ狩りをする毎日だった。
しばしば若手宦官やポロ選手・力士達とバクチをしながら酒宴を重ねていた。
「もっとやれ、もっと激しくばかりだからな」
「そのくせ、ケガをしたらしらんふり」
「自分が負けたら泣きわめく、処罰する」
最初は喜んでいた宦官や選手もうんざりしていた。
数日前には夜遊びの随行をことわった宦官達が降格された。
昨日はちょっとしたことで十数人がむち打ちとなった。
「もうがまんできんぞ」
「あのガキ、やってしまうか」
もともと気の荒い単純な連中である。
そこへ
「帝にも困ったものだ、他の諸王は真面目な方々ばかりなのに」
「特に絳王はスポーツ好きだし寛容な方だ」
と王守澄等の実権派宦官達がそそのかす。
寶暦二年十二月のある夜、帝が酒宴の途中で便所に行くと、灯りが消えた。
数人の宦官や若者がよってたかって絞め殺した。
その後、若手宦官達は絳王を擁立しようと働いたが
老獪な幹部達はとっくに江王(文宗)を立てる段取りをしていた。