「ならんと言われるのか!!」
河東節度使李載義は怒りに震えていた。
三年前幽州節度使であった載義は、楊志誠の裏切りによって逐われた。
幸い、朝廷に忠義を尽くしていたので山西節度使として拾われ、その後河東へ転任してきた。
今。楊志誠もまた軍乱に逐われて京師へ逃亡して来るという。
載義はその途を襲い怨みをはらそうとしていたのだ。
「志誠、不忠とはいえ朝臣です。法の裁きがなければ殺してはなりません」と使者
「きゃつが俺の家族に加えた陵辱や、部下達の家族を虐殺したことを我慢しろとおっしゃるのか」
「たとえ免官となろうとも、怨みをはらさねば、部下達にあわせる顔があろうか」
とはいいつつもも、載義は助けてくれた朝廷の恩との間で迷っていた。
使者は「勅命をよくお読みください、志誠を殺すことはまかりならんと」と繰り返した。
「志誠を・・・・・」
やがて載義はにっこりして言った。「臣、確かに命を奉じます」
そして部下達に命じた「襲え、だが志誠を殺してはならん」
襲撃され、志誠の家族や部下のほとんどは虐殺された。
ただ数人の部下とともに志誠は京師にたどりついた。
その後志誠は有罪とされ嶺南に流され、途次に殺された。
河東節度使李載義は怒りに震えていた。
三年前幽州節度使であった載義は、楊志誠の裏切りによって逐われた。
幸い、朝廷に忠義を尽くしていたので山西節度使として拾われ、その後河東へ転任してきた。
今。楊志誠もまた軍乱に逐われて京師へ逃亡して来るという。
載義はその途を襲い怨みをはらそうとしていたのだ。
「志誠、不忠とはいえ朝臣です。法の裁きがなければ殺してはなりません」と使者
「きゃつが俺の家族に加えた陵辱や、部下達の家族を虐殺したことを我慢しろとおっしゃるのか」
「たとえ免官となろうとも、怨みをはらさねば、部下達にあわせる顔があろうか」
とはいいつつもも、載義は助けてくれた朝廷の恩との間で迷っていた。
使者は「勅命をよくお読みください、志誠を殺すことはまかりならんと」と繰り返した。
「志誠を・・・・・」
やがて載義はにっこりして言った。「臣、確かに命を奉じます」
そして部下達に命じた「襲え、だが志誠を殺してはならん」
襲撃され、志誠の家族や部下のほとんどは虐殺された。
ただ数人の部下とともに志誠は京師にたどりついた。
その後志誠は有罪とされ嶺南に流され、途次に殺された。