自転車のサドルの上で・・・

サドルの上での気ままなひとりごと

ああ野麦峠

2017-10-02 | Weblog
 この土日は、四日市のS水さんと2人で1泊2日のサイクリング三昧。
 まず、土曜日の一日目を振り返ります。
 四日市を5時に出て、一路、木曽福島へ。駐車場で着替えて、眠たい体を起こすため、自転車で足慣らしとゆっくり駐車場内を回っていたら、ブレーキが効かない。車にぶつかりそうになったので転倒。ちょうどその時地元の方の車が入ってきて、「大丈夫ですか」と声をかけてくれる。「MAXSPEEDの方ですか?佐藤さんとは走っていました」と。チームアームウォーマーをしていいたため分かったようだ。転倒とはお恥ずかしい。
 ブレーキが効かなかったのは昨日後輪を外した時のクイックレリーズの閉め忘れ、公道でなくて良かった。
 8時半にスタートして、まずは境峠をめざす。今日は野麦峠、長峰峠、地蔵峠の1周108㎞獲得標高2200m程度のサイクリング。
 境峠は、中部縦貫で高山まで行けるようになるまでは、乗鞍へのメインルート。いつも車で通過していた峠だが、乗鞍への入り口の峠(分水嶺でもある)として自転車で登って見たかった。休憩などしながら1486mの峠へ到着10時15分。一旦、奈川へ下って、野麦峠(1672m)を目指す。
 野麦峠は40年ほど前の20歳代の頃、山本茂美の「ああ野麦峠」というルポルタージュを読んで印象強く残っていた峠。一度は自転車で越してみたいと思っていたが、今回、念願を果たすことができた。自分の体も年々心臓機能が悪くなっていくので、早めに行かないとと思っていた。
 峠に向かって高度を上げるに従い、木々の色づきも強くなり、ひんやりとした秋景色を味わいながらゆっくり登る。
 旧道が現道から別れる所にある「ああ野麦峠」の碑文を読んだりして、峠まで1.8㎞続くという山道の先を覗いてみる。
 分岐から車道の九十九折れをやりこなすと、平坦な道となり、峠に到着する。峠からはゆったりとした乗鞍の大きな山容が目の前に現れる。(写真)
 峠には「お助け小屋」と「野麦峠の館」があり、野麦峠の館(500円)を見学することに。山本の「ああ野麦峠」の中で取り上げられていたが、岐阜県吉城郡河合村出身の工女、政井みね(20歳)が腹膜炎を患い、諏訪の製糸工場から引き取りに来いとの電報を受け、兄辰次郎(31)が140㎞の距離を2日で夜通し駆け付け、その病女を背板にのせて峠の上まで担ぎ上げ、峠の茶屋で蕎麦がゆを食べさせようとした。「あー飛騨が見える、飛騨が見える」と喜んでいたと思ったら、茶碗を落として、力なくそこにくずれた。という実話である。時に明治42年11月20日午後2時。
 兄はそれから亡骸を背負い4日かけて河合村に運んだという。(兄は松本の病院に入院させようとしたが本人が故郷が見たいと拒んだという。7年間製糸工場で働き、優秀で100円の年俸だった。巡査の初任給が13円(M43年)程度の時代、男中心の給与体系の時代、工女としては良い給料。工女の採用時給金は年俸25円、100円工女は憧れの職)
 館の方から、政井みね(美人)の写真や実家周辺の写真、工場の写真、墓前に座る老齢となった兄の写真などをもとに説明を一渡り受ける。これが良かった。
 野麦峠は高山本線が開通する昭和9年まで飛騨と信州を結ぶ街道として、徒歩で様々な人々が行きかった道である。製糸工場の給金は農村女子の現金収入として大変良く、12.3歳で義務教育を終えると、工場ごとに集団で列をなして諏訪に向かったという。それも明治30年頃からは2月に峠越えをした(それまでは6月)と館の方は話された。
 見学で時間は押してしまったが、野麦峠を下り、寺坂峠(1395m)を登り下り、次の長峰峠(1350m)を経て再度、長野県に入る。
 短いが九蔵峠を登り、御岳を眺めるが午後の逆光でかすんでいる、残念。開田高原のアップダウンをこなして蕎麦でもと考えたが、木曽福島16時到着予定には間に合いそうもなく、断念。しかし小腹がすいて来た。訪れた野菜などを売っている「彩菜館」ではパンはなく、教えて頂いた地元食料品店でパンでも買おうとすることに。
 だが、すぐに目の前に現れた、開田高原ソフトクリームの看板に引き込まれてしまうことに。「コーンミックスをワッフルコーンで食べるのが一番」と前に並んでいるおば様に教えられ大休息。美味しいコーンソフト(395円)で生き返る。
 この後、パンを買うために教えられた松原商店へ。この店は鮮魚に力をいれている高原のお店、という感じの食料品店で、同世代の店主とおしゃべりしながらパンを買い、最後の峠地蔵峠(1370m)へ240mの登坂。
 峠は一定勾配で登りやすく、ほどなく名前の通りお地蔵様のいる峠へ。ただ、お地蔵さんの顔ばかり見ていて、クリートを外し忘れ2度目の転倒。
 後は唐沢の滝など道から見物して、下り道を一気に木曽福島へ。16:15着。走行108㎞
乗鞍高原の定宿「美鈴荘」には17時半過ぎに到着。温泉で疲れを癒す。
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