そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

日本代表の限界、中田の限界

2006-06-23 22:06:30 | Sports
日本、決勝Tならず…ブラジルに完敗 (読売新聞) - goo ニュース

何度同じような光景を見たことか。

あと20秒、20秒凌げばリードしたままハーフタイムに入ることができたのに・・・
「また、このパターンか」と言わんばかりに下を向く選手たち。
後半に入ると、守ってはブラジルの怒涛の攻撃にずるずると失点を重ね、攻めては相手のディフェンスラインの前まではボールを運べても、そこで手詰まり、苦し紛れのパスやドリブルをかっさらわれて、一気の反撃を受けスタミナを消失していく。

ブラジルは強かった。
だから、オーストラリア戦で感じた屈辱感、クロアチア戦で感じた虚脱感のようなものはなく、どこかサバサバとした後味。
もちろん、それはこのワールドカップで日本代表が唯一輝いた瞬間ともいえる、玉田の先制点があったことによる。

先制点の基点となった稲本のサイドチェンジ。
ブラジルの選手二人の間すれすれを縫っていくような、チャレンジングなロングパスだった。
やはりああいうダイナミックな展開がないと、得点は生まれない。
例えばブラジルのダメ押し4点目。
センターバックのジュアンがピッチの中央をドリブルで駆け上がる。
日本の選手が同じことをした場合、ペナルティエリアの手前でスピードを緩め、パスを出す相手を探してしまうのが常。
ところがジュアンはそのままスピードを緩めず、一気にフォワードのロナウドとパス交換してゴール前まで進出。
日本のディフェンスは混乱し、ロナウドにシュートコースを与えてしまった。
よく言われる、後の選手が前を追い越す動き。
ブラジルの攻撃にはそういった質の高い動きがふんだんに盛り込まれていた。
日本の攻撃が手詰まりになってしまうのは、パスの出し手よりも受け手の動きに問題があるのだろう。

試合終了後10分過ぎても、ひとりピッチの中央に倒れ、赤くなった目を隠していた中田英寿。
悔しかったのだと思う。
でも、いったい何が悔しかったのか。
1次リーグを突破できなかったという「結果」が悔しかったわけではないだろう。
自身に宿るエネルギーを最後の一滴まで注いだというのに、それが周囲に伝播しなかったこと、自分なりのやり方でチームを戦う集団に変えようとした努力が結実しなかったこと、その限界にぶつかってしまったことが悔しくてたまらなかったのだろう。
コメント (2)
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