そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

日経三題 TPPと再軍備とアルゼンチン化

2012-12-11 23:26:15 | Economics

最近は日経新聞もほとんど流し読みしかしなくっているんですが、今朝の朝刊には「ほぅ」と思わされた記事が3本ほど。

まずは金融面のコラム「風速計」。
JAグループがTPPに反対する最大の理由は農業保護ではなく、稼ぎ頭である共済事業を守るためだとの見方が出ている、と。

 だが保険と共済の事業者には決定的な違いがある。保険会社が生命保険と損害保険の兼営を禁じられている一方、共済には兼営規制がない。法人税率も共済は優遇されている。経営破綻時に契約者を保護するためのコスト負担を保険会社は義務付けられているのに共済事業者にはない。
 米国はTPPで官民、国内外の企業の競争環境を平等にするように求めている。政府出資が残る日本郵政による新規事業への参入動向に注目が集まりがちだが、JAを監督する農水省幹部は「実は共済の扱いは隠れた焦点だ」という。 

こういうことなら米国に云われずとも日本の保険会社ももっと文句云えばいいのに、とも思いますが…

2本目、国際面のFinancial Times配信記事「フィリピン、日本の再軍備支持?」。

 フィリピンは軍事的な自己主張を強める中国と対抗させるために、平和憲法で武力を放棄している日本の再軍備を強く支持するかもしれない。
 フィナンシャル・タイムズとのインタビューでデルロサリオ比外相は「我々は日本の再軍備を大いに歓迎するだろう。地域でのバランス要因を求めており、日本は重要な役割を果たすことができる」と語った。

ここまで踏み込んで語ったとしたらちょっと驚きです。 
こういう後押しがあると憲法改正・国軍化というのも強ち非現実な話ではない気になってきます。

3本目、投資・財務面のコラム「一目均衡」、藤田和明・米州総局編集委員の署名記事。

アルゼンチンと日本。かつて、経済学者クズネッツはこう評したという。「世界の国々は4つに分類できる。先進国、発展途上国、そしてアルゼンチンと日本だ」。没落したアルゼンチンと、工業化で奇跡の成長を果たした日本。この2国は例外との意味だった。

その日本もアルゼンチンと同じ道を歩みつつある…という文脈ですが。 
トリビア的に面白い表現だな、と。 

コメント
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