天涯孤独の身となった主人公の青年。非凡なところがあるわけではないが、とても素直、誠実。だからこそ、情の厚い周囲の人たちが自然と手を差し伸べてくれる。その中で細やかで健全なロマンスも生まれていく。
昭和の時代には数多存在した人情モノのフォーマットを現代に甦らせた感じ。
加えて特徴的なのは、地名や距離や移動時間、モノの値段、人の姓名などのディテールがとても丁寧に叙述されること。
そして登場人物たちが抱く感情や印象の機微も細やかに表される。例えば、好い人ばかりではなく2人ほどイヤな人物が登場するが、彼らのイヤさが客観的な言葉で的確に表現されるあたりとか。
何というか、世の中のサイレントマジョリティに響く感じの作品。自分も、ほっこりと心地よく読むことができた。
#ブクログ
昭和の時代には数多存在した人情モノのフォーマットを現代に甦らせた感じ。
加えて特徴的なのは、地名や距離や移動時間、モノの値段、人の姓名などのディテールがとても丁寧に叙述されること。
そして登場人物たちが抱く感情や印象の機微も細やかに表される。例えば、好い人ばかりではなく2人ほどイヤな人物が登場するが、彼らのイヤさが客観的な言葉で的確に表現されるあたりとか。
何というか、世の中のサイレントマジョリティに響く感じの作品。自分も、ほっこりと心地よく読むことができた。
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