そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

無暗にかじりつかれても…

2010-11-08 22:49:36 | Politcs
「石にかじりついても頑張る」=首相、政権担当に決意(時事通信) - goo ニュース

この発言、どうも違和感あるのはなんでかな~と考えてみた。
「石にかじりついても」って、その人が必死で達成しようとしている目標だとかゴールが明確になっている場合に使う慣用句なんじゃないですかね。

よく考えると「石にかじりついても頑張る」って、表現として変だよね。
普通「石にかじりついても○○だけはやり遂げる」という使い方をするんじゃないかと。

「○○」が何なんだか、本人も分かってないんでしょうね…
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「光媒の花」 道尾秀介

2010-11-06 16:29:51 | Books
6章の連作短編集。

第1章「隠れ鬼」のノスタルジックで隠微な雰囲気がなかなかいいなと思いつつ読み進めていると、唐突に殺伐とした話になる。
そこでどうも興を殺がれてしまいました。
別に殺伐としているのが悪いわけではなくって、唐突なのが違和感あり。
作為的に過ぎるように感じる。

その過剰な作為性は、第4章の耳の聞こえなくなった少女や第5章のカタツムリの件りでも同じく感じられてしまう。
あんまりそういうの趣味じゃないんです。

殺伐とするなら、最初っからその雰囲気が流れている第3章みたいなほうがよいと思うし、第6章みたいに地味だけどオーソドックスな作りのほうが著者の筆力も映えるように思います。
やっぱり空気の統一感って小説にとって大事だと思うのです。

光媒の花
道尾 秀介
集英社
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尖閣ビデオ流出雑感(続き)

2010-11-06 16:16:24 | Politcs
またまた溜池通信さんより。
11月5日「かんべえの不規則発言」は「尖閣問題の秘密」。
今回の一連の出来事を、中国の指導者層の立場に立ってみると…という視点で、興味深い。

「とにかく理解してほしいのは、中国において対日問題は内政問題なんです。扱いを間違えたら、即座に失脚する。中国で失脚と言ったら、一族郎党の生命財産が危うくなるという、文字通りの命懸けですからね。選挙に落ちて、それで済む日本の政治家とは覚悟が違うんです。例えば温家宝首相は、今とってもビミョーな立場なので、対日問題にはどうしても腰が引けてしまう。だから日中首脳会談をドタキャンしたりする。本当であれば、ナンバーツーである首相は、国家主席の踏み台にならなければならないのに」

「正直に言うと、この件は早く忘れたい。粛々とG20とAPECを終わらせて、何事もなかったかのように日中首脳会談を終わらせてホッとしたい。ところが、胡錦濤主席が国際会議に出席する直前に、あのビデオが流出してしまった。これでは胡錦濤主席が、日中首脳会談に出るか出ないかで悩まなければならない。引退を2年後に控えて、どうやって権力基盤を維持するか腐心しているこのタイミングで・・・・」

「そもそもフジタの社員を解放したのは、あのビデオを公開しないことが交換条件だったんですよ。それが全部蒸し返しになってしまう。ホントにこれは故意ではないんですか。中国を困らせるために、練りに練った悪意でやってるんじゃないのですか。それにしても、日本とは何としたたかで悪辣な外交を仕掛けてくるんだろう・・・・」

最後の部分については、自分もビデオ流出の報に触れた際、もし政府が流出を装う形で仕組んだんだとしたら相当高度なやり口だなあと直感的に思ったんですが、まさかあの連中がそんなテクニシャンだとはとても思えませんからねえ。
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尖閣ビデオ流出雑感

2010-11-05 23:45:54 | Politcs
・さっさと公開しておけばよかったのに、というのが率直な感想。まあ結果論ですけど。

・早い段階で公開しておけば、公開しろ/するなという押し問答が始まることもなかったし、公開した場合の「あえてやった」感も大して生じることなく、外交的にいろいろと思い悩むこともなかった。

・非公開という方針にするなら徹底して非公開にすればいいのに、衆参予算委員会のみでの限定公開なんて中途半端なことするから却って事態をややこしくすることになる。ここでも菅政権の、誰にでもいい顔しようとして墓穴を掘る悪弊が出てる。

・中国の強力な独裁政権もネット世論を抑え切れないし、日本でもこういうことが起こる。小沢氏が、既存メディア無視してニコニコ動画で会見した件も含め、ネットと政治、ネットと社会の関係の地殻変動がここにきて唐突に顕在化している感あり。これはひょっとするとひょっとするかもしれんですよ。しゃれならんかもですよ。

・それにしても、今回の流出動画は臨場感あふれていて、こんなこと云ったらアレだけど、映像作品としても一級品。
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そっぽ向かれた政権の受け皿

2010-11-04 23:33:25 | Politcs
海の向こうの中間選挙では、オバマ民主党が「歴史的大敗」を喫しましたが、「溜池通信」さんの概括があいかわらず秀逸です。
「かんべえの不規則発言」11月3日付け<追記>部分より、以下引用。

(1)ティーパーティーの本質は、「金融危機一揆」なんじゃないだろうか。怒りの根底にあるのは、金融危機の責任者が処罰されていないのに、巨額の資金が投入されていることであるらしい。だとしたら彼らの怒りとは、90年代中盤の住専問題や不良債権問題に対する日本人の怒りに似ている。われわれはもう慣れちゃっていて、「公的資金を入れないと金融不安は消えない」とか、「金融危機の後の景気回復は脆弱になる」ことを経験として知っているけれども、その免疫がないアメリカ人の不安や苛立ちは相当なものであるに違いない。

(2)もっともそういう怒りがちゃんと世の中で連帯を呼び、1年半もたつと立派な政治運動に発展し、とうとう議員まで作ってしまうことは、アメリカ以外の社会では考えにくい現象といえるだろう。もちろん、今日誕生した「ティーパーティー議員」は、たぶんに「困ったちゃん」たちであって、これから現実のアメリカ政治を振り回して、景気回復や外交の安定を損なう恐れが、少なからず存在する。でも、こんな風に民意がちゃんと議席数に反映されるところは、「さすがにアメリカ」と言っていいだろう。有権者が怒らなくなったら、民主主義は終わりである。

(3)ところがこの運動、いろんな形で共和党を利した。まず、彼らは第三勢力を目指さなかった。ティーパーティーがロス・ペローのような第三政党を作っていたら、議席はひとつも取れなかっただろうし、「ラルフ・ネーダーがいなければ、ゴアがブッシュに勝っていた」という事態の逆が起きて、民主党が大笑いしたかもしれない。ところがティーパーティーは対外的には「一揆」を叫びつつ、既成政党の中の右派勢力という位置づけに甘んじた。彼らのエネルギーを追い風にして戦えたことは、共和党にとっては大ラッキーであった。

(4)ティーパーティーは草の根の怒りを原動力にしている。彼らのテーマはシンプルで、"Limited Government""Tax Reduction""Balanced Budget"である。「政治のテーマはひとつだけでいい」という法則がキレイに当てはまり、こういう運動こそが力を持つ。ゆえに今回の選挙では、「同性愛結婚」や「人工妊娠中絶」といった社会問題がどこかへ行ってしまった。呆れたことに、「アフガン情勢」でさえも話題にならなかった。これが出てくると、共和党は内部分裂してしまうのだが、「テーマの一本絞り」のお陰で下手な喧嘩をしなくて済んだ。

(5)そのために民主党側はとてもやりにくかった。例えばこの2年間の業績として、「オバマ政権は医療保険改革をやったじゃないか」と言いたいところだが、それを言った瞬間に「そのお陰でますます財政赤字が増える」という反撃を受けてしまう。だから、この件について沈黙せざるを得なかった。なにしろこの件は、ティーパーティー運動の「怒りポイント」なのだから。

(6)さらにティーパーティーの飛躍によって、共和党の旧悪は速やかに忘れ去られた。ひとつにはブッシュ前大統領が、完全に人前から姿を消していることも大きい。この辺のことを考えると、ティーパーティーを組織した人たちは、相当に賢いのかもしれない。つまり「草の根運動」は意外と「人工芝」だったのかもしれない。そういえば、「水曜会」のノーキストの噂を最近聞かないが、彼はいったい何をしているんだろう?

(7)さて、この事態は日本政治にも確実に影響するだろう。さしあたって明日くらいから、自民党では「共和党の勝利に何を学べるか」という議論が始まることだろう。その場合、上のような分析が有用になるかもしれない。不肖かんべえでよろしければ、いつでもお相手いたしますぞ。・・・などと言いつつ、明日は民主党の会合で米中間選挙について語る予定であったりする。わはは。

はてさて、我が国の民主党も相当ボロボロな状況になりつつありますが、それでも内閣支持率が40%くらいもあるというのは、ティーパーティのような国民の不満の受け皿が存在しないことの証左でしょうか。
こちらの自民党が、あちらの共和党のように「旧悪」が忘れ去られるためには、まだまだいなくならなきゃいけない人がいっぱいいるってことでしょうか。
ティーパーティは"Limited Government"志向が徹底してますが、こちらでは民主も自民も寄って立つ先は違うにしても利益集団頼みのパターナリズム志向という点では同じ穴の狢ですからなあ。
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失業率と生産性のトレードオフ

2010-11-03 00:44:34 | Economics
日経新聞朝刊の「やさしい経済学」で、先般ピーター・ダイヤモンド氏ら3名がノーベル経済学賞を受賞した「サーチ理論」についての解説が、現在連載されています(筆者:今井亮一・九州大学准教授)。
なかなか興味深いトピックが多いので、以下メモ。

【サーチの外部性】
ある求職者が就職活動をすることは、他の求職者が就職できる確率を低下させる点で、他の求職者に対して負の外部性を発生させる。
一方で、ある求職者が就職活動することで、企業はより多くの候補の中から採用対象を選択できるようになるので、企業に対して正の外部性を発生させる。
いずれの外部性も、就職活動する個人の行動に影響は与えないが、経済全体としては正/負の外部性が発生し、お互いが釣り合って打ち消し合う状態が社会にとって最も効率的・最適と考えられる。

【最適な労働分配率】
労働分配率(企業と労働者の間の分配比率)が高すぎると、企業は新卒採用を抑え、正社員採用が減ってしまう。
一方で労働分配率が低いと、就職口は広がるが、採用されても低賃金で生活が成り立たないケースも出てくる。
労働分配率は高すぎても低すぎても最適にはならず、労働分配率と有効求人倍率とがある一定の数学的関係(ホシオス条件)を満たす関係になったときに社会的厚生は最大になる。

【失業率と生産性のトレードオフ】
ホシオス条件を考慮すると、失業率を下げる政策が一概に社会的に望ましいとは言えない。
即ち、失業率が(リーマンショック後の日本のように)相対的に高くないとしても、実は生産性の高い仕事の求人は低水準で、労働分配率が低く生産性が低い仕事ばかりが供給されているからかもしれないからである。
例えば小売業の場合、すべての店が営業時間を短くすれば、客はその時間内に購買するしかなくなるので、生産性は上がる。
日本の小売業は欧米に比べて営業時間が長いが、それは実は生産性を下げている面がある。
営業時間が長い要因として最低賃金が低い点が挙げられる(店を開けておくコストが低い)。
最低賃金を上げると失業率は上がるが、営業時間は短くなるので生産性は上がる。
つまり、失業率と生産性はトレードオフの関係にある。

賃金規制や雇用規制は失業率を上げることになるという批判がある一方、安定した雇用や生活するに十分な賃金が保障されないまま失業率が低く保たれても意味がないというのも分かる。
結局どっちも正解じゃなくて、社会全体で最適なのはどの水準なのかという問題なんでしょう。
ただ、仮にマクロ的に最適状態が実現されてとしても、ミクロ的には公平性や流動性が実現できているとは限らず、なかなか難しい話だな、と。
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ポプラ社小説大賞雑感

2010-11-01 23:07:43 | Entertainment
水嶋ヒロさんに小説大賞 賞金は辞退、「大変光栄です」(共同通信) - goo ニュース

あまりに出来過ぎな展開に、至る所であれこれ詮索されているようですが、いやホント深読みのし甲斐があるというか、表から見ても裏から見てもいいニュース素材ですな。

以下、雑感。

・最初に思ったのは「ポプラ社小説大賞」ってなんやねん?ということ。ポプラ社って子供向けのイメージしかないんですが。

・で、話によれば、大賞の賞金2000万円は破格だとか、それでいて第一回以来大賞受賞者は出てなかったとか、来年から2000万円はやめるとか。そこだけ聞くといかにも胡散臭いっすな~。

・少なくともポプラ社にとっては利点だらけの話です。話題性はたっぷり。自社から単行本化すれば大ヒット間違いなし。おまけに賞金は辞退してくれるってんだから。

・一方で水嶋ヒロにとってはどうなんだろ。わざわざ文学賞に応募しなくったって、出版社に持ち込めばネームバリューで本は出せるだろうし、まさか金に困ってるわけもないし、純粋に腕試しがしたくて応募したように思える。

つまるところポプラ社が金脈を掘り当てた?
実際作品読んでみりゃどんなもんか分かるんですがね。
金出してまで読みたいとは思わんですが。
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