姫路城を見学した後は、揖保の糸資料館「そうめんの里」を見学しました。
「そうめんの里」は兵庫県たつの市にあって、姫路から北西方向へバスで40分ほど行ったところです。
昼食はここに併設されている「レストラン庵」で頂き、その後、館内を見学しました。
「そうめんの里」
揖保乃糸 資料館「そうめんの里」は、西播磨地域の伝統産業であり、全国各地で親しまれている「手延べそうめん」の伝統の技と味わいを体験することができる施設です。
「揖保乃糸」は全国的には知られているのかどうかは分かりませんが、関西ではよく知られているそうめんのブランドです。
「播州そうめんの始まり」
播州地区でのそうめんの歴史は古く、兵庫県揖保郡太子町の斑鳩寺には、1418年の古文書「鵤庄(いかるがのしょう)引付」に"サウメン"の記述見られること、同じく1461年に社殿造営があった宍粟市一宮町の伊和神社では、社殿造営の祝言に"そうめん"を使う等の記録が見られるということから、既にこの頃からそうめんが作られていたようです。
播州でそうめんづくりが本格的になったのは、江戸時代の安永頃(1771年〜1780年)だと考えられ、当時は龍野藩の「許可業種」として奨励されていたようです。
また伝統の「揖保乃糸」の産地化は、龍野藩が著名な産物の保護育成を始めた文化年間頃(1804年〜1818年)からだと考えられます。
・これが「レストラン庵」で頂いた昼食です。そうめんの里だけあってメインはそうめんでした。
「そうめんができるまで」
資料館にはそうめんに関するいろいろな資料が展示されていましたが、その中からそうめんができるまでのジオラマをご紹介します。
①板切作業・・・よくこねたそうめんの生地は、幅およそ10cm厚さおよそ5cmの麺帯(めんたい)にし、 "採桶(さいとう) "と呼ばれる桶に巻き込んでいきます。
②小均(こなし)作業・・・およそ1時間ねかせた麺紐を、さらに、直径およそ6mmまで細長くしていきます。
③掛巻作業・・・およそ4時間ねかせた麺紐を、掛巻機(かけばき)という機械を使って麺紐に"縒り"を掛けながら、2本の管(くだ)に8の字を描くように掛けていき、室箱(おも)に入れていきます
④試し引き~小引き作業・・・およそ1時間後、室箱から取り出した麺紐を、熟成の進み具合や翌日の天候を考えながら、およそ50cm程に引き延ばします。
小引き作業・・・長年の経験をもとに"試し引き作業"を行なった後、道具を調整し効率的に延ばしていきます。
⑤ a.つけまえ作業・・・小分けされた菅(麺紐)は、4本〜5本ずつ"はた"につけていきます。
b.あしづけ作業・・・"はた"につけられた麺をおよそ1.6mに延ばします。
c.はたうわぬきあげ作業・・・さらに1.6mから2mへと徐々に延ばします。
d.手さばき作業・・・"はた"につけられた麺にハシを入れ、均等にさばいていきます。
e.はた守り作業・・・手さばき作業を終えた"はた"は、乾燥室の温度・湿度や天井扇からの風の流れを見ながら向きを変え、乾燥させていきます。
f.乾燥作業・・・仕上げ乾燥ともいわれ、 "はた"全体を均一に乾燥させていきます。
「切断から検査まで」
・切断作業・・・麺水分を13%程度に乾燥させた素麺を1 9cmの長さに切断します。
・計量、結束、箱詰作業・・・切断したそうめんは、50gずつ計量、結束し、金属検出機を通し目視による品質チェックを行ないながら、箱詰めします。
・検査指導員により、格付検査が行なわれます。
そうめんができるまでの工程をご紹介してこのシリーズを終わります。