らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

陳謝と謝罪

2015-10-29 | 時事

先日、横浜のマンション傾斜問題で、旭化成建材や親会社である旭化成の社長が謝罪していましたが、今回に限らず、企業や警察、学校、議員の先生方などの公務員に至るまで、問題が発生する都度、責任者が陳謝したり謝罪をしています。
それは当然のことですが、謝罪して済む問題ではありません。
今回の旭化成建材については、何故このような事が起きたのか、その原因究明を徹底していただき、二度とこのような事が起こることがないよう、そして消費者が安心して安全に暮らせるような建物を建築して、信頼の回復に努めていただきたいものです。

ところで、このような謝罪問題が発生した時、報道では「陳謝(ちんしゃ)」と言う言葉を使ったり、「謝罪」の言葉を使用していますが、この二つの言葉はどのように違うのでしょうか?
今日はこの言葉の違いについて調べました。

陳謝と謝罪、広辞苑では、陳謝・・・①訳を述べて謝ること。②礼を言うこと。
                 謝罪・・・罪や過ちを詫びること。
と説明しています。

陳謝の「陳」という字には「つらねる」「のべる」という意味があるようです。
従って、「陳謝」を使う場合はただ謝ることではなく、理由を添えて謝ること、つまり、何について謝っているのかを明らかにする時に使用する言葉です。
例えば、「Aさんが大切にしていた器を割ってしまったことについて、陳謝した」とか、「経営危機に陥ったことについて陳謝する社長」という表現は何について謝っているのか、その理由が添えられているので正しい使用例です。

一方で「彼はただ泣き続けて陳謝した」「○○さんは電話ひとつよこさず、詫び状だけで陳謝したつもりらしい」という表現は、具体的な理由の言及がないまま謝っているので、このような場合は「謝罪」を使用するのが一般的なのです。

本当の意味を十分に理解したうえで、今後、TVの記者会見やマスコミ報道に接すると、言葉の表現力を知ることができるかもしれませんね。