近年、外国語が日本語化したカタカナ文字が溢れています。
新聞やテレビのニュースでもよく目にしますが、番組の出演者や解説者、評論家などもカタカナ文字をよく使用しています。
日本語で話してくれたら分かりやすいのですが・・・。 カタカナ文字に相応しい日本語が見当たらないのでしょうか?
IT社会になって、おっと失礼! ITもカタカナ文字の類でしたね。日本語で言えば、情報通信技術社会でしょうか? その社会になって、ますますカタカナ文字が増えてように思います。
このカタカナ文字ですが、擬声語・擬態語などへの使用は別として、外国語を日本語化した場合、私たち年寄りには難しくてなかなか理解できません。
例えば、よく耳にする言葉に「オンデマンド」や「アーカイブ」、「アセスメント」「イノベーション」などがありますが、皆さんは分かりますか?
「オンデマンド」は英語の「on demand(要求)」で、「要求があり次第」と言う意味になり、
「アーカイブ」は英語の「archives(公記録保管所)」で、文書やデータなどの保存や保管施設を意味しています。
同様に、「アセスメント(assessment:評価・査定)」は、ある事業を進めた場合、周囲にどのような影響を与えるかを事前に調べ、評価すること。影響評価であり、
「イノベーション(innovation*技術革新、経営革新)」は、社会に大きな変化をもたらすような技術や仕組みの革新のこと。技術革新を言います。
書き上げればきりがありません。
でも外国語と思われるカタカナ文字でも外国人に通用しない言葉があります。
例えば、文房具の「ホッチキス(hotchkiss)」です。
この「ホッチキス」という言葉は日本だけで使われているものであり、海外では通じません。
ホッチキスは英語では「ステープラー(staplar)」と呼ばれているため、海外で「ホッチキス」といっても通じないということです。
なぜ日本だけ「ホッチキス」という独特な呼び方をしているのでしょうか?
日本で初めてホッチキスを販売したのは伊藤喜商店(現イトーキ)で、明治36年(1903年)のことです。
このホッチキスはアメリカ製で、ボディに大きくHOTCHKISS No・1と刻印されていました。
この製品はE・H・HOTCHKISS社製で、ブランドと形式を刻印表示していたのです。
特に呼び名がなかった時代のことなので、誰とはなしにホッチキスと呼ぶようになったということです。
日本で浸透している「ホッチキス」という呼び方は、新聞用字用語集では「ホチキス」、JIS規格(日本工業規格)では「ステープラ」と、それぞれ異なった名称で定められており、表記についての正式な決まりはないようです。
また商標登録された名称でもなく、地域によっても「ジョイント」や「ガッチャンコ」、国によっても「ステープラ」、「クチトリッチ」など、ホッチキスはさまざまな名称で呼ばれているようです。
でも、こんなにたくさんの名称をもつ文房具も珍しいですね。