らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

神様へのお供え物

2017-12-28 | 季節

神社やお寺でお馴染みのさい銭箱は、神様に願い事をする時に、或いは祈願成就のお礼として奉る賽物(さいもつ)の金銭を受ける箱ですが、賽物として金銭を奉納するようになったのは、貨幣経済が発達してからのことで、元々は穀物や酒、布、武具などを奉納していました。

神様へのお供え物は、季節ごとの行事や祭りに見られるように、米、野菜、果物、魚介類、菓子、酒など、さまざまな食べ物が供えられていますが、こうした食べ物の中で、最も重要視されたのが米です。

米は神様とかかわりのある行事の際には姿形を変えて登場し、大切な役割を果たしています。
例えば、正月に飾る鏡餅、祭りや神前結婚式で使われるお神酒(みき)、彼岸の時に作るおはぎなど、全て米を原料にした食品です。
更に、弁当の定番になっているおむすびも、元は神様に供えるための食べ物だったと言うことです。

このように神様に米が供えられた背景は、古代の人々は米を神から授けられた穀物だとみなし、そのために大きなパワーを秘めた神聖な食べ物として扱ったからと言われています。
特にその年の最初に収穫した稲には強い力が宿ると考え、最も大切な供物とされました。

ところで神様に供えた食べ物は、行事が終わった後、人間がいただきますが、これを「直会(なおらい)」と言います。
この直会もまた、神事の一部になります。
神様が召しあがった食事には、神様の力が宿ると信じられており、直会にはその神のエネルギーを体に取り込むと言う意味があるのです。

供物は神と人とを繋ぐ存在であり、神棚からの御下がり物のおむすびも餅も、実は有難い食べ物になるのです。