お正月が間近になったので神社に関する事を調べて取り上げています。
今日は神社に参拝しても目にすることができない「御神体」について調べました。
仏教寺院では複数の仏像が安置されている場合もありますが、仏殿の中央に安置されている仏様が御本尊なので、参拝者はこの仏像に向かって手を合わせます。
ところが、神社では何処を見回しても仏像のような神様の姿をかたどったものが見当たりません。
しかし、仏教のご本尊に相当する御神体はあるのです。
御神体は拝殿の奥にある本殿に納められており、周期的に御開帳がある仏教のご本尊とは違って、一般の参拝者は殆ど目にすることができません。
宮司ですら、滅多に見ることはないとも言われています。
では、御神体とはどのようなものなのでしょうか?
ご神体は、元は自然物が主体だったようですが、最も一般的に祀られているのは鏡だそうです。
ただし、神社によって様々なものが御神体となっています。
例えば、剣、勾玉、石、御幣(ごへい:神に捧げるもの)、弓矢など種類はさまざまで、アワビの殻やサメの歯が御神体と言う神社もあるそうです。
時には、神の姿を描いた絵画や彫刻が御神体とされているところもあるようですが、これは仏教の影響を受けて造られたもののようだということです。
その他、山や滝、木などの自然物を御神体としている場合もあります。
例えば、奈良県の大神(おおみわ)神社は三輪山が、和歌山県の熊野那智大社は滝が御神体となっています。
一般的に目にすることが出来ない御神体も、こうした自然物が御神体であれば容易に目にすることができます。
ところで、重要かつ神聖なものである御神体は神様そのものではなく、あくまでも神霊が招き寄せられて乗り移るもの、所謂、依代なのです。
剣や勾玉、樹木や岩石などの御神体は神霊の依代として祀られているのです。
従って、御神体は「依代(よりしろ)」「御霊代(みたましろ)」とも呼ばれています。