今日はロマンチックでとってもムーディーなポピュラー音楽「マドンナの宝石」をお聴きいただきたいと思います。
この曲は、イタリアの作曲家エルマンノ・ウォルフ・フェラーリが作曲した全3幕からなるオペラの第2幕前の間奏曲です。
『聖母の宝石』とも言われていますが、実は、男と女の愛憎劇を描くオペラなのです。
物語の舞台はイタリア南部の街ナポリです。
【第1幕】 鍛冶屋のジェナロは、奔放で情熱的な義理の妹マリエラに思いを寄せていましたが、彼女が心惹かれていたのは、犯罪集団のリーダー、ラファエレ。
聖母祭りの日、彼はマリエラに言い寄ります。
「お前のためなら、あの聖母マドンナの宝石でも盗んでみせる」。それを聞いたジェナロは、「あんな男とは付き合うな」と彼女を引き離します。
【第2幕】 マドンナの宝石を盗み出してしまったジェナロがマリエラに宝石を渡すと、その妖しい美しさに魅せられた彼女は、兄と恋人の区別がつかなくなり、ジェナロに
体を許してしまいます。
【第3幕】 マリエラにふられたジェナロは、失恋の絶望と罪の深さを思い知り、自らの命を絶ちます。
このオペラの第1幕と第2幕の間で演奏されているのが今日ご紹介する「マドンナの宝石」です。
ヴォルフ・フェラーリは、登場人物の甘く切ない恋心を彷彿とさせるような印象的なメロディーを取り入れることで、オペラ全体にインパクトや彩りを与えようとしたのではないかと言うことです。
それではイタリアの作曲家エルマンノ・ウォルフ・フェラーリ作曲の「マドンナの宝石」をお聴きください。