代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

【書評】梶原健嗣著『戦後河川行政とダム開発』ミネルヴァ書房

2014年07月26日 | 八ッ場ダム裁判
なぜ行政は、科学的な合理性のない数字を「憲法」と主張し、「基本高水モデルによる治水計画全体の支配」を続けるのか? その数値を根拠として「治水=河川改修+ダム」にひたすらまい進するという視野狭窄に陥っているのか? 若干ネタバレになってしまうが、著者によれば、その理由は、単に国民の税金にたかってダムの生み出す利権を配分しようとする利権構造のみでは説明しきれない。その真の理由は、民意を河川行政から遮断しようとするパターナリズムにあるというのが著者の結論である。このパターナリズムの構造を変えていくことが著者の提案である。 . . . 本文を読む