いまから200年前(正確には197年前)、リカードが主著『経済学および課税の原理』の中で提起し、その後の200年間、誰も解くことのできなかった問題がついに解決された。本書はその詳細な報告である。このような歴史的金字塔が日本において建てられたことは、すばらしいことだと思う。一刻も早い英訳の出版が待たれる本である。これは単なる貿易論の本ではない。書名だけ見ると、貿易論に特化した本かと思われるかも知れないが、そうではない。この書の真の意図は、古典派価値論の復権を通して、新古典派経済学パラダイムそのものを揚棄しようという遠大な構想にある。 . . . 本文を読む