長崎県の石木ダム、長野県の浅川ダム、石川県の辰巳ダムの三つのダム計画は、いずれも住民と行政のあいだで大きな対立がもたらされてきました。石木ダムの場合、水没する土地に居住し反対する人々の土地の強制収用が行われるか否かの瀬戸際になっています。
これら、いずれのダム計画においても、貯留関数法の恣意的な運用によって過大な流量計算がなされているという点で同様です。貯留関数法のパラメータを比べて下さい。これらのパラメータには、二つの明らかな誤謬があます。中規模洪水に合致したモデル定数を、大規模洪水に適用して計算値を過大な値にしていくという点で同じ過ちをしています。上の図にあるように三つのダム計画でいずれも p=0.3 程度、最終流出率1.0という値が採用されていますが、この数値が虚構なのです。
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