代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

右派と左派に共通する明治維新の物語とプロクルステスの寝台

2015年05月31日 | 長州史観から日本を取り戻す
最近読んだ本の中で、鵜飼政志著『明治維新の国際舞台』(有志社、2014年)の内容は非常に興味深かった。少し紹介したい。著者は、明治維新の解釈に関しては、「皇国史観・王政復古史観」と「戦後日本のマルクス主義歴史観」は基本的に同じものであるという。私も以前、自民党も共産党も基本的には同じ長州史観を核に持っていると書いたことがある。「日本近代化の原点」「国民国家の形成」「歴史の進歩」としての「明治維新の物語」は、左右両派に共有されているのだ。    鵜飼氏は前掲書の「はじめに」において、明治維新の物語という国民的な神話があり、歴史学者はその物語の枠組みに合致するように考証してきたのであり、その「物語」に矛盾する事実が明らかになっても物語は修正されない、と述べる。 . . . 本文を読む