佐藤優氏の『官僚階級論 ―霞が関といかに闘うか』(モナド新書、2015年)は、冒頭、霞が関官僚による鳩山政権の打倒は「静かなるクーデター」であったと説き起こされる。佐藤氏は、いまの日本の「官僚階級をこのまま放置すれば、戦争とそれによる国家的破滅は避けられないと思う」と冒頭に書き、強い危機意識でこの著作を世に問う姿勢を明らかにしている。私も佐藤氏と同じ危機意識を共有する。
官僚による「静かなクーデター」は、「政治主導」を掲げる民主党政権に対して、「日本国家を実質的に支配するのは官僚であることを思い知らせ」るための、官僚階級総体の「集合的無意識」によって成し遂げられたとする。その際に、米国の「ジャパン・ハンドラー」たちは、日本の官僚階級に全面協力したのだ、と。 . . . 本文を読む