拙著の中では、赤松小三郎の存在が維新史において無視されてきたのも、戦前の「皇国史観」も、戦後の歴史研究をリードしてきた共産党系の「講座派マルクス主義史観」も、ともに薩長中心の歪んだ明治維新神話を信仰してきたからだと批判しています。つまり明治維新の解釈が歪められてきた、その責任の一端は共産党にもあるのだと書いたのでした。それにも関わらず、しんぶん赤旗の一面のコラムで拙著が紹介されているのですから、書いた本人としては驚かないはずがありません。共産党系の歴史学者の中には、拙著を読めば怒る方も多かろうと思います。その拙著を評価した「しんぶん赤旗」には抗議が寄せられるかも知れません。これを機に共産党としても、従来の講座派理論に対する見なおしの動きを活発化させて下さることを、外野の人間として期待させていただきます。 . . . 本文を読む