代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

司馬遼太郎と丸山眞男から尾佐竹猛と大久保利謙へ

2020年09月19日 | 長州史観から日本を取り戻す
長州の武力討幕路線こそが日本近代化の駆動力となったのであり正しかったのだと考える点で、司馬遼太郎と日本会議と講座派マルクス主義の三者は、いずれも「長州史観」であり、基本的に同じ考えといってよいでしょう。  それとは違った考え方をしていたのが、尾佐竹猛や、その弟子筋の大久保利謙です。尾佐竹は、近代日本を準備したのは長州や薩摩ではなく、徳川や諸藩が幕末から醸成した議会政治論であると大正時代から明言していました。大久保利通の孫の大久保利謙は、尾佐竹の歴史認識を肯定し、自ら佐幕派を名乗って『佐幕派論議』(吉川弘文館、1986)という本まで書いています。 . . . 本文を読む