米下院が金融安定化法案を否決。
「強欲なウォール街だけがなぜ国民の税金で救済されるのか」という有権者の怒りは当然だろう。有権者の怒りに脅えて反対票を投じた造反議員が続出した模様だ。
米国は、不良債権の買い取りに必要とされる7000億ドル(75兆円)をどうやってひねり出すつもりなのだろう? この点が甚だ危うい。新聞を読んでいても、75兆円がどこから湧いて出てくるのかサッパリ分からない。
米国債の発行額を増やして資金を調達したところで、米国債の暴落、ひいてはドルの大暴落を早めるだけだろう。米国債増発なんて、自ら進んで自滅への道を歩んでいるとしか思えない。でも他に資金の出所があるとも思えない。何せ、オバマはワーキングクラスへの減税、マッケインは法人税減税を訴えるばかりで、「増税」などという文字はどこにもない。
税で資金をひねり出せない以上、米国債カードしかなくなる。アメリカは、貿易赤字を筆頭として、借金に借金を重ね、負債によって市場に大量のドルを供給し、投機とバブル経済を煽ってきた。今回の事態はその借金経済が行き詰まったということなのだ。その危機を、さらなる借金(米国債増発)で乗り切るなんて曲芸は、土台不可能だと悟るべきなのだ。
金融安定化法案を通すには、筋を通す必要があるだろう。全国民に痛みを強いながら、ウォール街のみ救おうなんて、筋が通らない。都合のいいときには市場原理主義を煽りながら、自分たちに都合が悪くなると国家による救済を求める社会主義者(しかも救済対象は自分たちだけという限定的社会主義)に豹変するウォール街の厚顔無恥ぶりには、さすがに皆怒るだろう。
そう、財源は、高額所得者への増税でひねり出すべきだ。当然だ。今こそ、ルーズベルトのニューディール政策にならって高額所得者への大増税を実施し、広がりすぎた米国の格差を縮小すべきときなのだ。
アメリカの高額所得者なんて、軒並み金融業従事者だ。米国の金融を救うというのなら、その財源は自らの痛みで払ってもらうのが当然だろう。さしあたり、高額所得者への最高税率を現行の36%から80%に引き上げたらどうだろう。もちろん、低額所得者への所得税率は据え置くか、可能ならば減税する。
75兆円の不良債権買い取り資金は、その増税による財源でまかなうのだ。それを法案に盛り込めば、有権者も納得して法案に賛成するのではないかと思うのだが? 本来ならば、年収1000万ドル以上のウォール街の高額所得者になど95%の税率を課してやってもかまわないと思う。それでもまだ50万ドルも手元に残るのである。貧困層の所得水準(年収2万ドル程度)の25倍だ。
「強欲なウォール街だけがなぜ国民の税金で救済されるのか」という有権者の怒りは当然だろう。有権者の怒りに脅えて反対票を投じた造反議員が続出した模様だ。
米国は、不良債権の買い取りに必要とされる7000億ドル(75兆円)をどうやってひねり出すつもりなのだろう? この点が甚だ危うい。新聞を読んでいても、75兆円がどこから湧いて出てくるのかサッパリ分からない。
米国債の発行額を増やして資金を調達したところで、米国債の暴落、ひいてはドルの大暴落を早めるだけだろう。米国債増発なんて、自ら進んで自滅への道を歩んでいるとしか思えない。でも他に資金の出所があるとも思えない。何せ、オバマはワーキングクラスへの減税、マッケインは法人税減税を訴えるばかりで、「増税」などという文字はどこにもない。
税で資金をひねり出せない以上、米国債カードしかなくなる。アメリカは、貿易赤字を筆頭として、借金に借金を重ね、負債によって市場に大量のドルを供給し、投機とバブル経済を煽ってきた。今回の事態はその借金経済が行き詰まったということなのだ。その危機を、さらなる借金(米国債増発)で乗り切るなんて曲芸は、土台不可能だと悟るべきなのだ。
金融安定化法案を通すには、筋を通す必要があるだろう。全国民に痛みを強いながら、ウォール街のみ救おうなんて、筋が通らない。都合のいいときには市場原理主義を煽りながら、自分たちに都合が悪くなると国家による救済を求める社会主義者(しかも救済対象は自分たちだけという限定的社会主義)に豹変するウォール街の厚顔無恥ぶりには、さすがに皆怒るだろう。
そう、財源は、高額所得者への増税でひねり出すべきだ。当然だ。今こそ、ルーズベルトのニューディール政策にならって高額所得者への大増税を実施し、広がりすぎた米国の格差を縮小すべきときなのだ。
アメリカの高額所得者なんて、軒並み金融業従事者だ。米国の金融を救うというのなら、その財源は自らの痛みで払ってもらうのが当然だろう。さしあたり、高額所得者への最高税率を現行の36%から80%に引き上げたらどうだろう。もちろん、低額所得者への所得税率は据え置くか、可能ならば減税する。
75兆円の不良債権買い取り資金は、その増税による財源でまかなうのだ。それを法案に盛り込めば、有権者も納得して法案に賛成するのではないかと思うのだが? 本来ならば、年収1000万ドル以上のウォール街の高額所得者になど95%の税率を課してやってもかまわないと思う。それでもまだ50万ドルも手元に残るのである。貧困層の所得水準(年収2万ドル程度)の25倍だ。
先の金融危機の時、日本はそうすればよかったのにと思います。国民経済救済のための緊急暫定累進税率法案とか。 ・・・タブーなんでしょうね。
万事、アメリカに言われるがままに追従してきた中曽根政権以降の日本ですから、アメリカが累進税制を強化したら追従するのでしょう。向こうから先にやってもらいましょうか。ああ、情けない・・・・。
アメリカには所得税を徴収するための法律が、実は無いんですって。国民はそれを知らずに納税しているようです。それを知った市民団体が運動を起こして・・・
アーロン・ルッソ『アメリカ:自由からファシズムへ』で調査してました。GoogleVideoにあります。
その1からその5まであります。
http://video.google.com/videosearch?q=%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%BD&emb=0#
累進課税には大賛成です。
日本も経験したこういう信用収縮局面では債権は軒並み取り立て不能になるし、流動性を確保し、国民生活を守るためにも、ある意味「泥棒に追い銭」だとしても、資金注入は不可避ではありましょうし。
ドルを守りつつ直接金融も保護する方向で行くには最良案かもしれません。
絶対不可能でしょうけど(笑――他人事だし)
このあたりを心配してと、やはり倫理的な問題から、共和党側から造反が出て、不成立に終わりました。
世間では、ことの重大さをわかっていないと非難が主ですが、
造反した議員さんのひとりが言った
「政府が介入するべきでない、(金融機関の)市場原理にまかせないと、自由主義とは言わない」
との大義名分論には、なかなか勝てそうにないです……。
それにしても7000億ドルは異常な数字です。懲罰的な意味での高所得者への課税強化は道義的(世論的)にOKでも、現実100%課税にしても穴埋めできる額でないと思います。
もはや、政府の埒外のディールになっているということを潔く認めて、自己責任原則を徹底させる方が理に適っていると私は思うのですが……。(無論その際には負債に対して無限責任を負うのが前提です)
私は金持ちからは累進的に所得税を取って、その収益を社会的に再配分して、格差を縮小させるべきだと思うので、リバタリアンの見解には賛同できないです。リバタリアンは経済政策上は明らかに右派といえるのですが、反FRB、反ウォール街のスタンスは、左派っぽく見えるのが不思議なところです。
ただ、日本にはリバタリアニズムを適用するのは文化的にも不可能だと私は思うのですが、アメリカの文化的土壌にはリバタリアニズムは適合するのかとも思います。リバタリアニズムは開拓者精神そのものでしょう。あれがアメリカ文化なのだから。アメリカでリバタリアンが政権を取るというのは、今後あり得ることですし、その選択を彼らがするのは尊重すべだと思います。
リバタリアンのよいところは外国への不介入主義を貫く点です。
私のこの記事は、アメリカのケインジアン的ニューディール派を応援する立場で書きました。しかし、アメリカのニューディール派は正義を押し付けようとするので、多分に外国に対して介入主義的です。その点が危うい・・・・。
アメリカという国は変わる時にはラディカルに変わるので、ひょっとしてあり得るかも・・・。今回の記金融危機での、人々の怒りようを見ていると、意外にもアメリカで革命が起きるなんてこともあるかも……。
>自己責任原則を徹底させる方が理に適っていると私は思うのですが……。
仮に、アメリカで革命が起きたとして、左派が政権を取れば累進税強化するでしょうけど、アメリカで左派が政権取るのって、まったくイメージできないですね。やはりあの国に左派は似合わないのか…。
逆に、右派リバタリアンが革命を起こせば、所得税も廃止、FRBも廃止で金本位制の復活。金融界も自己責任で徹底的につぶすということになるのでしょう。
ああ、どちらが良いのだろう??
でもあと5000億ドル足りませんけどね。
本来なら世界中の政府が足並みを揃えて、高額所得者と財産家に累進的所得税と財産税を課税して、財源を作るべきなんですけどね。
本当の国際協調は当座の流動性供給などではなく、真の財源作りだと思います。
中国はアメリカに対して相当の条件を呑ませていることでしょう。台湾からは手を引けとか、チベット問題に干渉するなとか・・・・。アメリカはそれを全部呑んでも、ここは中国に助けてもらわざるを得ないでしょう。
あとは日本の決断です。中国と手を組んで、米国債カードを最大限に利用しながらアメリカに対して要求を呑ませるべきです。年次改革要望書などこれ以上の内政干渉を止めさせ、ミニマムアクセス米の受け入れなどすべて拒絶し、農産物関税の引き上げも認めさせ、米軍基地を撤退させ、脱米自立を決断する時だと思います。
今度は、アメリカに対する「改革要望」はこっちが呑ませる番。累進税制強化も「要望」すべきですね。でも今の政権じゃそんなの無理。早く政権をとっかえないと・・・・・。
日本でも社会保障の財源として何故累進課税の強化が財源として考慮されないのか、常々おかしいと思っていました。でもヒトにそう言うと何故かバカにされます。皆さん流行の思想がお好きなようで。(もう終わりでしょうが....)
米国依存からの脱却には賛成ですが、そうすると必ず持ち上がってくる安全保障の問題は、どう思われますか?
私は善隣外交による非武装中立が理念的に望ましく思います。また、現実的に日本の軍拡は近隣諸国の警戒心を煽り、軍拡競争に依る疲弊をもたらしますし、なおかつアメリカにNoと言ってしまえば国際的な孤立、あるいは”日本の軍拡”を大きな脅威とされ、イラクの二の舞すら考えられるのではないかと思います。
ご意見を伺えますでしょうか?