私は今から4年前の「トランプ政権を歓迎する」という記事で以下のように書いた。
https://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/b580d37849f6fbb30cb18d209eb591a6
木村太郎氏は、「トランプは新しい戦争を始めなかった唯一の大統領。世界平和に貢献した」と評価し、200点の採点をした。
私の期待していたことでいえば、NAFTAを見直し、TPPを取りやめたという点は満点。関税を引き上げて、自由貿易体制を終わらせる方向に向かったのも評価できる。それが米国製造業の再生に大きく寄与したのだ。法人税を引き下げつつも、関税で財源を確保しようとしたことは、モンロー主義時代のアメリカの伝統的税制への回帰である。グローバル資本主義に背を向け、関税という、国家の正当な財源に光を当ててくれたことは大きな功績である。
シリア内戦への介入を止め、ISにアメリカ製の武器が流れるのを防いで、シリアからISの影を消し去ったという点も満点である。タリバンと和平合意をし、アフガンからのアメリカ軍の撤兵を始めたことも評価できる。かりにヒラリーが大統領だったら、いまでもシリアでISが跋扈し、シリア難民の増加が欧州を悩ましていただろう。その悪夢を想像して欲しい。
いずれもアメリカが覇権国であることに終止符を打つために必要な一歩である。私は、アメリカは世界の警察の地位から降りて、モンロー主義に回帰し、その役割は国連が担うべきであると考えている。
しかしモンロー主義がいきすぎて、パリ協定から離脱したり、WHOから脱退したりしたことはもちろん評価できない。アメリカは普通の国になった上で、応分の国連への寄与は果たし続けていって欲しい。
イランとの核合意から離脱し新たな火種を生んでしまったこと、サウジを武器援助で支援してイエメン内戦が続いてしまっていることなどは、評価できない。
それでも全般的に見て、シリアやリビアやイエメンなどで内戦を劇化させ、中東を泥沼化させていたオバマ政権よりは、トランプの方が平和に貢献していると評価して良いだろう。オバマ政権末期のISの猛威とシリア難民の惨状は目を覆うばかりであったから、これだけでも世界は恩の字だと考えている。
私が現在いちばん恐れているのは、バイデン政権になって、またシリア内戦に介入し、ISが再生してしまうことだ。
しかし、私が当初期待していたことの後半部分は全くダメだった。私は、トランプ政権で日本の脱米が進むこと、もしかしたら辺野古基地建設も止まる方向に向かうかもというほのかな期待があったが、安倍政権が猛烈にトランプ政権への盲従を加速させ、アメリカからの武器輸入を拡大させて軍産複合体に貢献し続けたことによって泡と消えてしまった。まあ、この点についてはトランプの責任というより安倍政権の責任である。
4年間を総括してみると、80点というところであろうか。木村太郎氏よりは採点が辛いが、トランプが平和に貢献したという点について、心情的に木村太郎氏に賛同するものである。
選挙終盤でトランプがコロナにかからなかったら、トランプが逆転勝利していたのではないかと思う。あそこまでコロナへの無策ぶりを徹底的に印象付けてしまったのが痛かった。
というわけで、トランプ大統領、お疲れさまでした。トランプ政権は終わっても、いちど進んだモンロー主義への途は巻き戻すことはできない功績となるでしょう。
P.S. 引き際は潔くした方がよいですね。
https://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/b580d37849f6fbb30cb18d209eb591a6
私は、トランプ大統領を歓迎する。トランプ大統領には、あまり多くは期待しないが、NAFTAを見なおし、TPPを取りやめ、中東でテロリストへの武器輸出を止め、無用な戦火を煽らないでくれれば、それだけで感謝の気持ちでいっぱいである。NAFTAを止め、アメリカの製造業とメキシコの農村を救えば、必然的に、不法移民の流入も減少する。アメリカにとってもメキシコにとっても福音となるだろう。
日本は、緩やかな脱米を進めるべきである。当面「在日米軍は将来的には第7艦隊のみで十分だ」と言った、小沢一郎の構想を復活させるべきなのだ。これで辺野古基地も撤回できる。沖縄にとっても福音である。
日本は、緩やかな脱米を進めるべきである。当面「在日米軍は将来的には第7艦隊のみで十分だ」と言った、小沢一郎の構想を復活させるべきなのだ。これで辺野古基地も撤回できる。沖縄にとっても福音である。
木村太郎氏は、「トランプは新しい戦争を始めなかった唯一の大統領。世界平和に貢献した」と評価し、200点の採点をした。
私の期待していたことでいえば、NAFTAを見直し、TPPを取りやめたという点は満点。関税を引き上げて、自由貿易体制を終わらせる方向に向かったのも評価できる。それが米国製造業の再生に大きく寄与したのだ。法人税を引き下げつつも、関税で財源を確保しようとしたことは、モンロー主義時代のアメリカの伝統的税制への回帰である。グローバル資本主義に背を向け、関税という、国家の正当な財源に光を当ててくれたことは大きな功績である。
シリア内戦への介入を止め、ISにアメリカ製の武器が流れるのを防いで、シリアからISの影を消し去ったという点も満点である。タリバンと和平合意をし、アフガンからのアメリカ軍の撤兵を始めたことも評価できる。かりにヒラリーが大統領だったら、いまでもシリアでISが跋扈し、シリア難民の増加が欧州を悩ましていただろう。その悪夢を想像して欲しい。
いずれもアメリカが覇権国であることに終止符を打つために必要な一歩である。私は、アメリカは世界の警察の地位から降りて、モンロー主義に回帰し、その役割は国連が担うべきであると考えている。
しかしモンロー主義がいきすぎて、パリ協定から離脱したり、WHOから脱退したりしたことはもちろん評価できない。アメリカは普通の国になった上で、応分の国連への寄与は果たし続けていって欲しい。
イランとの核合意から離脱し新たな火種を生んでしまったこと、サウジを武器援助で支援してイエメン内戦が続いてしまっていることなどは、評価できない。
それでも全般的に見て、シリアやリビアやイエメンなどで内戦を劇化させ、中東を泥沼化させていたオバマ政権よりは、トランプの方が平和に貢献していると評価して良いだろう。オバマ政権末期のISの猛威とシリア難民の惨状は目を覆うばかりであったから、これだけでも世界は恩の字だと考えている。
私が現在いちばん恐れているのは、バイデン政権になって、またシリア内戦に介入し、ISが再生してしまうことだ。
しかし、私が当初期待していたことの後半部分は全くダメだった。私は、トランプ政権で日本の脱米が進むこと、もしかしたら辺野古基地建設も止まる方向に向かうかもというほのかな期待があったが、安倍政権が猛烈にトランプ政権への盲従を加速させ、アメリカからの武器輸入を拡大させて軍産複合体に貢献し続けたことによって泡と消えてしまった。まあ、この点についてはトランプの責任というより安倍政権の責任である。
4年間を総括してみると、80点というところであろうか。木村太郎氏よりは採点が辛いが、トランプが平和に貢献したという点について、心情的に木村太郎氏に賛同するものである。
選挙終盤でトランプがコロナにかからなかったら、トランプが逆転勝利していたのではないかと思う。あそこまでコロナへの無策ぶりを徹底的に印象付けてしまったのが痛かった。
というわけで、トランプ大統領、お疲れさまでした。トランプ政権は終わっても、いちど進んだモンロー主義への途は巻き戻すことはできない功績となるでしょう。
P.S. 引き際は潔くした方がよいですね。
それでも、TPPにアメリカが復帰しようとする可能性はけっこう高いのかもしれないです。しかしどちらかといえば、日本と新たな自由貿易協定か経済連携協定を結ぶ方がやり易いはずです。TPPは一度離脱したし、ISDS条項もあるからです。日本としても、「安倍政権はアメリカと自由貿易協定を締結しないとしたが、それはトランプ政権のアメリカの場合であって、バイデン政権なら日米自由貿易協定を締結させても良い」という理屈を出しても全くおかしくないでしょう。
今の日本人はTPPなどの貿易協定に対する興味がかなり薄まっています。菅首相としても都合は割りと良いです。
ようするに安倍政権とトランプ政権が締結させた「日米貿易協定」は、新しい日米の政権にとっては扱いづらくて面倒くさいだけなんですね。それならいっそのこと破棄して、新しい日米自由貿易協定の交渉した方がお互いにとって都合がいいとは思います。
来日中の米ペンス副大統領が「FTA交渉を行なう」ことを明言!→いまだに日本マスコミは安倍政権が捏造した「TAG」を必死にごり押し!
https://yuruneto.com/pence-fta/
ゆるねとにゅーす
TAGはFTAと異なる、包括的なものではない=菅官房長官
https://jp.reuters.com/article/amp/idJPKCN1M708O
ロイター
TAGは「実質FTA」でなく「FTAそのもの」【鈴木宣弘・東京大学教授
https://www.jacom.or.jp/nousei/tokusyu/2018/09/180928-36237.php
JAcom 農業協同組合新聞
日米貿易協定は本当にウィン・ウィンか? 安倍とトランプの友情は1年後に決裂する=近藤駿介
https://www.mag2.com/p/money/537512
マネーボイス
日米貿易協定 中ぶらりん WTOに通報せず 玉虫色の合意内容が影響?
https://www.agrinews.co.jp/p51430.html
日本農業新聞
http://uchidashoko.blogspot.com/2020/02/isdseu.html
Alternative Trade & Investment Watch
ISDSの終焉 ISDSを葬り去る新NAFTA( USMCA )協定
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2018/10/naftaumca-a4ce.html
街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋
ついに米国もISDS否定~世界に取り残された、哀れな日本
https://www.jacom.or.jp/column/2018/03/180308-34787.php
JAcom 農業協同組合新聞
NAFTA 2.0で労働者が得たもの
http://www.diplo.jp/articles19/1905-03NAFTA.html
ル・モンド・ディプロマティーク日本語版
米国・メキシコ・カナダ協定
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%80%E5%8D%94%E5%AE%9A
日本のマスコミは全くといっていいほど報道してないですが、トランプ政権はISDS条項を事実上葬っていますしね。そういう実績に目を向けるなら、トランプ大統領が掲げるアメリカ第一主義にも良い点があるといえます。
トランプ政権がISDS条項を嫌った理由は、それが国家の主権を危うくすると思ったからでしょう。一方でアメリカ民主党は、環境保護などの公共政策が危うくなると思う議員が少なくない。
ようするに行き過ぎたグローバル資本主義は、民主主義国家の否定になってしまうのでしょう。国家と国民の主権や公共の環境にとって脅威になるなら当然です。なんていうか、民主主義国家の外皮を纏ったグローバル資本家主権国家みたいな印象がありますね日本とかは。
NAFTAやTPP、ISDを否定したというトランプ政権のプラスの遺産を、バイデン大統領にしっかり引き継いでいってもらいたいです。
前回はトランプに投票したラストベルト地帯の労働者層は、今回はバイデンに投票した人も多かったようです。ウォール街の投資家の利益のためにTPP参加やISD復活といった愚行をすれば、彼らは裏切られたと烈火のごとく怒るでしょう。
サンダースを支持した若い「社会主義者」層も、前回はヒラリーではなくトランプに投票した人が多かった。今回は、サンダースの呼びかけに応じてバイデンに投票した人が多かったようなので、しっかりバイデン政権を監視して欲しいです。
バイデンがウォール街や軍産複合体の利益擁護に走れば、一挙に彼らの支持を失うことを覚悟すべきでしょう。
しかし、大統領選に先立って行われた大阪市廃止(大阪都構想)の是非を問う住民投票の結果は、諸手を挙げて歓迎して良いと思います。
とはいえ、結果は僅差でしたから、「投票に行って良かった!」と思う一方で、行政やマスコミが「都構想」という名称を用いず、「大阪市廃止」で統一していたら、ここまで僅差にはならなかっただろうという気もします。
これは「維新」という党名にしてもそうで、多くの国民が明治維新に対してなんとなくいいものだというイメージを抱いていなければ、彼らがここまでの権力を持つこともなかったのではないかと。
アメリカの大統領選挙の結果を日本人が左右することは難しいと思いますが、このあたりはどうにかしたいところですね。
P.S. 先日はメールへのお返事、ありがとうございました。
念のため、関先生に許可を頂いておきたい事柄があり、こちらからも返信をさせていただいたのですが、届いておりませんでしょうか?