三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

北国人と中間領域

2008年03月18日 06時40分43秒 | 住宅性能・設備

写真は青森市内の住宅の半内半外的な空間。
2階から出入りするための風除的な空間です。
北海道から青森に来ると、
同じ北国人としての共通する「思い」が伝わってくることが多い。
気候風土の条件が似ていて、
その中で暮らすときに似たようなことを考える部分があり、
そういうポイントに親近感を覚えると言うことなのでしょう。
この写真のような空間への思い、というのもそういうポイント。
冬場に雪にまみれた外部とは遮断され、
でいながら、外部空間としての感覚が味わえるような場所に
どうも、強い共感を覚えてしまうのですね。
そういう感覚を体験できるような場所を家を建てるときに計画したい、
という部分。
もちろん、雪の積もらない地域でも、こういう空間はあり得るでしょうが、
やはり北国人のように、切実な感覚ではないと思います。

写真のお宅はある建築家の自邸なので、
こういう空間でもきちんとデザインしたい、ということで、
屋根に使う材料でちょっとユニークな材料を使用していました。
ポリカーボネートではあるのですが、
細く切断されていて、ちょうど床板のフローリングのように
細長い材料になっているのです。
それをツートンカラーにして、面白い屋根空間を作り出していました。
建築家らしく、ディテールも面白い納め方に挑戦していて、
まぁ、残念ながら、防水がうまくいっていませんでした。
でも、もともとがそのような半内半外的な空間なので、
こういう結果になっても、そう大きな問題はないでしょうし、
やり直しは十分に利くでしょう。
こういう空間に屋根に雪が乗っかり、
なお、しんしんと雪が積もり続けるような時期に
こういう場所から、外部を感覚しながら見続けるような
そういう場面を想像すると、この土地での暮らしようが伝わってくる部分があります。
場合によっては、雪かきへの出撃拠点にもなる気がします。
サンルーム的に緑を楽しむような冬の空間にもなりますね。

そんな空間への思いが、同じような境遇に置かれているものとして、
共感を覚えさせられるということなのだと思います。
このあたり、温暖地のみなさんにはあんまり理解できない部分かも知れませんね。、
いかが感じられるでしょうか?
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