ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

追悼!冨田勲:東映アニメ「ガリバーの宇宙旅行」米国盤サントラ??

2016年05月12日 | ミュージック
 子供の頃見た忘れられない映画がある。東映の「ガリバーの宇宙旅行」というアニメ映画である。昭和40年の制作とのことなので小学校の低学年の頃だろう、父に連れられて映画館で見た。あまりに面白くて、もう一度みたい!と駄々をこね、2回連続で見た記憶がある。父はさぞかし迷惑だったろう。そして今手元にDVDがあり、数十年ぶりに見直したが、やはり良くできている。ノスタルジックな想いが蘇ってくる。

 先日、札幌の中古レコード店が割引セールをしていたので行ってみた。サントラのコーナーを物色していると、このガリバーの宇宙旅行と全く同じイラストだが英文字のLPを見つけた。Gulliver’s Travels Beyond The Moonというタイトルで英語版が存在するようだ。これは珍しいと思って迷わず購入。当時、東映のアニメがアメリカに輸出されていたということなのだろう。早速聴いてみると、サントラと称しているが音楽は英語版用にすべて差し替えられて別物。実は日本版オリジナルでの音楽を担当しているのが冨田勲である。英語版サントラには彼の名前は全く記載されておらず、代わりにMusic & Lyrics by MILTON & ANNE DELUGGとの表記が。同じ楽曲を用いて歌詞だけ母国語に置き換えるという場合もあるのだろうが、この作品については冨田氏の素晴らしい音楽が一切使われていない。何とも残念なことである。

 冨田勲と言えば、「ジャングル大帝」や「リボンの騎士」のゴージャスな音楽は大好きだったし、何と言ってもシンセサイザーで作り上げたドビュッシー作品集は衝撃的だった。今でもその作品と「惑星」の4チャンネル・サラウンドCDをよく聴く。「展覧会の絵」や「火の鳥」などの選曲も、ELPやイエスとつながりプログレ好きのロック少年を充分惹きつけるものであった。

 という記事を書いていたら、何と冨田氏の訃報が届いた。この5日に突然倒れ、帰らぬ人となってしまったのである。やりかけの仕事もあったそうだが、3月にリリースされていたアルバムが「オホーツク幻想」というタイトルで、私がこの3月まで住んでいた地域もオホーツク。勝手に親近感を感じながら、日本を代表する音楽家の逝去に心から哀悼の意を表すものである。